第4話（修正:2019.03.11） ページ5
どういう運びか、私は再びブランコに戻っていた。
「……で？どういう事？」
安全柵に軽く腰掛ける雲雀。私を見る目は疑ってます、と強く主張していた。
…そう、彼が私のこの奇怪な行動を問い質そうとしているのだ。
黒曜からここまで来る道のりを覚えていない理由。
どう見てもさっきより私を逃す気はなさそうだった。 元々無い隙が更に無くなっている。
「ちょっとアテもなく放浪してて…」
「…なんで？」
「いやまぁ…そこは突っ込んで聞くべきじゃ無いでしょ家庭の事情とかだし…」
「にしては明るい眼をしてる」
「え…」
腕を組んで気だるそうにしながら、嘘つけ、とでも言わんばかりの口調で続けた。
「家の人とのトラブルで出て来たなら絶望か怒りの色をしてるはずだ。…君の目はそんなんじゃ無い」
「うわぁ…流石並盛の守護神。今まで何人の家出っ子を見て来たのか…。的確ね…」
折りたたみナイフを左手で弄びながら私は次の言い訳を考えた。
しかし…
「…いいよ」
「はい？」
「話さなくていいって言ってるの。見たところ並盛を荒らしたわけじゃ無いみたいだし、今すぐ黒曜に戻って何も問題を起こさなければいいよ」
何が彼の脳を冷やしたのか、私をフツーに帰してくれることになったらしい。
(…って言っても、家があるかわかんないんだよね。私という存在がこの世界に"在る"のかも分からないし…)
「黒曜はここから向こうに一直線に進むと着くから」
「あ、ありがとう…」
何はともあれ、彼の気が変わらないうちに消えるのが得策だ。
じゃあ、と手を振って私は示された方に歩き出した。
彼が見えなくなったくらいのところではっと思い立った。
「…もしかして幻術使えたりして…そしたら色々誤魔化してどこの家の子でもなれたりするんじゃ…！？」
気分の問題もあるだろうが、身体的にも今日はもう疲れ果ててしまった。もし使えるなら野宿よりベッドがいい。
「ちょっと浮いたり…するわ。え、まじで？私幻術使えちゃうの？」
テンションが爆上げしたついでに体を薄っすら不可視化して空中に踏み出した。まだ完全に体を消したり音をなくしたりという細かな作業はできないようだ。
黒曜の方へと、飛んで行く。
念の為目視で姿を追っていた雲雀恭弥は、空中に浮いてから消えて行った少女に一瞬目を見張り、呟いた。
「やっぱりあの女子生徒…咬み殺しておけばよかった」
.
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誠咲（みざ）(プロフ) - kyokapi23さん» コメありがとうございます！き、期待してくださっているのに更新遅れててごめんなさい…もうすぐ！もうすぐ続き書けますので！！明日には載せますので！気に入っていただけて嬉しいです！ (2018年11月2日 22時) (
レス) id: dfddf227b0 (このIDを非表示/違反報告)
kyokapi23(プロフ) - この話めっちゃ好きです！なんか、これからが気になるところで更新が止まっててちょー焦れったいです(笑)これからも更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2018年10月30日 20時) (レス) id: 8d4ba9d346 (このIDを非表示/違反報告)
誠咲（みざ）(プロフ) - ますしんさん» ありがとうございます！私の理想を詰め込んだ作品ですのでそう言っていただけると嬉しいです！更新頑張りますので末長くお付き合いください^_^ (2018年9月10日 22時) (レス) id: 9a792f54fe (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 誠咲（みざ）さん» ディーノさんとロマーリオが好きなのでキャバッローネファミリーに入れるなんて羨ましい！雑用でいいから入りたい…続きが気になります！これからも楽しみにしています！！ (2018年9月10日 10時) (レス) id: 644073c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
誠咲（みざ）(プロフ) - 黒瀬さん» 初めてのコメントすっごく嬉しいです！ありがとうございます！可愛いと言って貰えてて良かったです^ ^確かにディーノさん落ち、少ないですよね。これは書かねば…！って思いました(笑)更新、頑張りますね！！ (2018年9月10日 7時) (レス) id: 9a792f54fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠咲（みざ） | 作成日時：2018年9月3日 19時
