第34話 ページ35
翌日。
「……なぁ、A」
気まずそうに若干目を逸らしながらディーノさんは私に声をかけた。
「はい？」
「…えーっと」
「それコピーするんですね？やっときます。何部必要ですか？」
「あ、あぁ、30部頼む…」
私はディーノさんの手にあった資料の束を受け取ってコピー機の方に歩いて行った。
──昨日のことなんて、なかったかのように。
「…A」
「なんですか？」
ディーノさんは困ったように眉を寄せて私を見つめた。
「…………」
「……？」
「……いや…」
目をそらすディーノさん。
私はデータ化し終えた元の紙を返し、微笑んでお辞儀をした。
「それじゃあ、あとでお届けしますね」
「…あぁ…」
──これは、私の無言の抗議というやつである。
考えてみれば、私には抵抗する理由があっても手段がないのだ。過ごしてきた精神年齢は変わらなくても、私はこの世界ではまだ15歳。義務教育を終えたって何かができるのかといえばそんなことはない。保護者代わりのディーノさんがいなきゃ社会的に生きていけない。
でも、癪だ。勿論この弱肉強食な世界を甘く見てるわけではないけど、自分が弱くないことはわかる。嫌という程わかる。
そうじゃなきゃ初日の雲雀さんを、いくら様子見の手加減多め対応だったとしても避けられないでしょ。
死ぬのはいやだ。戦うことにこだわってるわけじゃない。
でも、好きな人が立つ場所に立てるなら、そんな嬉しいことはない。私の場合その好きな人は恩人でもあるから、昨日の会話の通り、恩返しにもなる。一石二鳥だ。
だからこれは、認めて欲しいという私の無言の訴え。
コピー機に30部刷るように入力して、ザー、ザー、という音を聞きながら吐き出される紙を無心になって一枚ずつ取って順番通りに纏めていった。
そう言えば、これ、今度同盟ファミリーの抗争の援護に向かう、ディーノさんを含めた少数精鋭の数と一致する。
「…どこの応援だったっけ」
いいことじゃないのはわかってるけど、纏めるついでにこっそり書類を読む。
「…あ、れ？なんか、変な感じ…」
読んでいくにつれて、私は胸騒ぎを感じた。
「なんで…？相手のファミリーに何かあるの…？」
この感覚はただ事じゃない。
そう思った私は、書かれていた相手ファミリーについて調べることにした。
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誠咲（みざ）(プロフ) - kyokapi23さん» コメありがとうございます！き、期待してくださっているのに更新遅れててごめんなさい…もうすぐ！もうすぐ続き書けますので！！明日には載せますので！気に入っていただけて嬉しいです！ (2018年11月2日 22時) (
レス) id: dfddf227b0 (このIDを非表示/違反報告)
kyokapi23(プロフ) - この話めっちゃ好きです！なんか、これからが気になるところで更新が止まっててちょー焦れったいです(笑)これからも更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2018年10月30日 20時) (レス) id: 8d4ba9d346 (このIDを非表示/違反報告)
誠咲（みざ）(プロフ) - ますしんさん» ありがとうございます！私の理想を詰め込んだ作品ですのでそう言っていただけると嬉しいです！更新頑張りますので末長くお付き合いください^_^ (2018年9月10日 22時) (レス) id: 9a792f54fe (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 誠咲（みざ）さん» ディーノさんとロマーリオが好きなのでキャバッローネファミリーに入れるなんて羨ましい！雑用でいいから入りたい…続きが気になります！これからも楽しみにしています！！ (2018年9月10日 10時) (レス) id: 644073c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
誠咲（みざ）(プロフ) - 黒瀬さん» 初めてのコメントすっごく嬉しいです！ありがとうございます！可愛いと言って貰えてて良かったです^ ^確かにディーノさん落ち、少ないですよね。これは書かねば…！って思いました(笑)更新、頑張りますね！！ (2018年9月10日 7時) (レス) id: 9a792f54fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠咲（みざ） | 作成日時：2018年9月3日 19時
