☆.*˚ ページ46
久しぶりに触れられた彼は、外に居たからか干したてのお布団みたいに暖かで、私の好きな安心する香りがして。もっと近付きたくて背に腕を回して強く抱き締めた。
思ったより体つきがしっかりしてるんだなとか、私より大きな手とか……ちょっと変態臭いな、改めて意識しちゃって。でもそれ以上に幸福で…………ん？だけどあれ？
｢そういえはマンちゃんって神父じゃない？｣
｢……まあそやけど｣
｢神父さんってその……お付き合いとか……そういう恋愛事ってダメなんじゃないの？｣
オスマンの胸から顔を上げて言ったものの思ったより近かった顔の距離に気恥ずかしくて尻窄みになりながら疑問を投げかけた。少し熱くなった頬を誤魔化すようにオスマンから顔を逸らした。彼はしばらく黙ったまま何も言わなくて、不安になった私は頬の熱なんでどうでも良くなって再び彼の顔を覗き込んだ。
｢何その反応｣
オスマンは私の不安は露知らず、恥ずかしそうな表情で私は一気に気が抜けた。訳分からない、何でそんな顔？
彼は大きくひとつ咳払いすると気まずそうに口を開いた。
｢一応、神父として形だけで名乗ってるだけで。別に神父や無いねん｣
｢えっ、詐欺師って事？｣
｢言い方悪い！！まあそう言われても仕方ないかもしれへんけど………人間には、虚像でも偶像でも、縋る何かが必要やろ？｣
おれはやさしいからさ、なんて、わっっるい顔。
こんな人が神職者名乗ってたら罰当たりそう。だけど私は、こんな表情の彼も愛おしいと思ってしまうくらい、オスマンの事が好きで。
｢あはは、可愛い〜何その顔。ちゅーしてあげたくなる｣
ケラケラとバカにしたように笑って揶揄って来た彼にむっとなって、襟元を掴んでグイッと引っ張ってやる。
｢そんな悪いこと言う口は、私が塞いじゃうから｣
ほら、真っ赤。
その表情を見て満足した私は掴んだ襟を離した。オスマンは頬を染めたままジトりと私を睨みつける。
｢あは、かわいい｣
今度は私から思わず出た言葉に目の前の彼は目を見開いた。
彼の覗いていた綺麗な瞳が隠され近付いてくるのがスローモーションに見えて。
｢奪っちゃった｣
言葉と共にゆっくり開かれた深緑の近さと、すこし甘やかな髪の香り、唇の柔い感触だけが頭の中を占領した。さっきよりも悪い顔をした彼は、ああもうホント
｢ずるい！｣
｢なんとでも｣
花の塔 /さユり
終わり
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ねこ(プロフ) - 残念なうずらさん» うあー！コメントありがとうございます！嬉しくてにへにへしちゃいました…笑 私もイメソン大好きオタクなので共有出来て良かったです^^ この度は、最後までお付き合い頂きありがとうございました！またどこかで会えましたらよろしくお願い致します…♡ (5月7日 5時) (
レス) id: add6e87120 (このIDを非表示/違反報告)
残念なうずら(プロフ) - 完結おめでとうございます。手に汗握りながら最後まで見届けさせていただきました。当方、事あるごとにイメソンを探し漁るオタクなためあとがき非常に助かりました。また読み返しながら聞いてみようと思います。この度は素敵な作品をありがとうございました！ (5月7日 0時) (レス) @page45 id: fce40baecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ | 作成日時：2023年4月15日 23時
