【d!】また夢の中で【ci】 (ページ12)

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夢を見た。

俺は変な場所におって、そこは草原が広がってて一直線に柵がされてる。空は夜とも夕方とも言えん暗い紫色で星が浮かんでて、そよ風が吹いてる。

俺に関してはいつも通りで別に変なとこは無かった。夢って色々補正されたりするやん？あんま覚えてる事ないけど。

その場所には羊が10匹いてて、めえめえ鳴きながら俺の方に寄ってきた。

｢な、なんやお前ら…｣

羊の真っ黒な目が俺を見つめる。相変わらず鳴き声は止まずに降ってて、俺は羊に囲まれた。とりあえず撫でることにした。ふわふわもこもこ、気持ちええな。寝れそうや。

｢腹減ってるんか？ここはどこかわかる？｣

羊に話しかけても返事なんか帰ってくるわけないやんって分かってるけど、まあこれ夢やしと思いながら話しかけてみる。羊は別段汚れてる様には見えへん真っ白な体をしてて、この景色の中やと白やからかちょっと光ってるように見える。

｢チーノ、チーノ｣

どこからが名前を呼ばれ、聞こえてきた声に愕然とする。周りをキョロキョロ見回しても誰もおらず、あの変な景色の中、羊がおるだけやった。思わず目の前の羊をみつめる。

｢今の、おまえ？｣

｢チーノ｣

羊の口が開く

｢もうメアリーの事は忘れちゃった？｣