これから ページ18
「びっくりした！！！」
「え、ごめん」
慌てて立ち上がって振り向くと、案の定そこには狐弾先輩がいた。
噂をすれば影などという慣用句があるが、噂でなくても誰かのことを考えれば影は落ちるものらしい。
「ごめんなさい、ほんとにびっくりしました」
たった今狐弾先輩のことを考えていたので。
そんなことを言えるはずもなく、私は申し訳なさげな笑みを作った。
「いや、俺の方こそごめん。ため息が聞こえたからさ、疲れてるのかなって思って」
「そうですね、疲れてはいます」
ため息の理由は疲れていたからではないが、それを言えばなんだか変な空気になる気がして誤魔化した。それに、疲れているのは事実だ。
「そっか。無理しないでね」
そう言う狐弾先輩の笑顔は、本当に綺麗で優しかった。
「・・・はい」
一番頑張っているのは狐弾先輩のはずなのに、私はそれに従っているだけなのに、それでも狐弾先輩は他の誰かの心配をしてくれる。
やっぱり、彼は優しい。優しすぎるんだ。
「それにしても、あっという間だったね。二回目だけど、お疲れ様」
「先輩もお疲れ様です！」
近くの席に座って、狐弾先輩が先程の私のように大きく伸びをする。
手を下ろし、そのまま斜め上を見上げた。
「終わったとたん、実感が凄いんだよね。もうこれで終わりなんだっていうさ・・・高校になっても生徒会にはまた入る予定だけど」
「そうなんですね」
「うん。俺今まで結構生徒会として色々やってきた方だと思うから余計にそうかも」
なんというか、しみじみとしたものを感じさせる声音で先輩は言う。
「見てて結構慣れてるなって思ってました。やっぱり、何度も入ってるんですね」
「そうだね、多い方だと思う。とはいえ、一際活躍していたとか、そういうことはないんだけど」
「そんなことないですよ！」
謙遜なんていらない。狐弾先輩は本当に凄い人だ。
きっと初めて先輩を見たときのあの話術で、多くの人々を魅了してきたのだろう。私もその一人だ。
彼の周りに群がる女子たちの場合は顔がきっかけだったのだろうが・・・ルックスはもちろん、内面までここまで素晴らしい人は見たことがなかった。
「ありがとう。沢村さんはこれからどうするつもり？後期も入るの？生徒会」
「その予定です」
「そっか。・・・君なら大丈夫だね。信頼してるよ」
そう言って微笑む狐弾先輩は、本当に素敵だった。
続く
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夕和(プロフ) - sogu508さん» ちょっとそのコメントやめてｗｗｗめっちゃ笑ったｗｗｗｗｗ (2022年11月29日 20時) (
レス) id: 40c359dc38 (このIDを非表示/違反報告)
sogu508(プロフ) - どうも狐弾先輩です。読者の皆さん俺の彼女がお世話になっています。不思議な気持ちですが毎回楽しみです。 (2022年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 4549537148 (このIDを非表示/違反報告)
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