検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:3,125 hit

出会いは生徒会室で ページ2

私は沢村A、天草中学校に通う2年生だ。


指通りのいい肩甲骨あたりまでの茶髪を高めの位置で結ぶのが定番の髪型。


自分ではよくわからないが、微妙にツリ目らしい。


身長は160cm、高めだ。体重は・・・流石に言えないかな・・・。


制服はごく普通のブレザー。リボンは赤、シャツは白、上着は黒・・・何もかも普通といったところか。






そして私は今、生徒会室の前に立っている。


今回私は前期生徒会の書記に立候補し、見事当選を果たしたのだ。


しかし私の学年から立候補したのは私一人。つまり、同学年の生徒の多くの票が私に入ったから当選できただけだといえる。


だからこそ、ちゃんと結果を残さなければ!


私は自分を鼓舞し、ゆっくりと生徒会室に入った。


「・・・失礼します」


生徒会室には誰もおらず、当然ながら返事も返ってこない。思わず拍子抜けした。


部屋にはいくつか長机や椅子があったが、無断で椅子に座ってしまうのは気が引ける。


何より生徒会の中では最低学年なのだから、先輩より先に座るのは、自分が許せなかった。


部屋の電気をつけ、隅に立ってじっと待つ。時計の音がやけに耳についた。


数分後、生徒会室のドアが開いた。


「お、先に来てたのか」


入ってきたのは男子生徒。彼の第一印象は「真面目そうな人」だった。


彼が私に向かって微笑み、話しかけてくれる。


「話すのはこれが初めてだったよね?よろしく」


「そうですね、よろしくお願いします」


確かに話すのは初めて。しかし私は、選挙の時演説を聞いたので彼を知っていた。


話術といい声色といい、引き込まれるようなスピーチ。きっとほとんどの生徒が彼に投票しただろう。


「2年生からは君一人だけみたいだけど、俺や他の奴らも怖い先輩じゃないから、気軽に話しかけてね」


緊張していたのを悟ったのか、優しく声をかけてくれる先輩。


「はい、ありがとうございます」


「そういえば、名前聞いてなかったね。俺は狐弾(こだま)(あおい)、君は?」


「沢村Aです、お世話になります」


「そんなかしこまらないでいいよ」


「気をつけ」の姿勢をして答えた私を見て、彼、もとい狐弾先輩がくすりと笑う。


演説だけでなく、普段の会話でも狐弾先輩の話術は発揮されるようだ。


私も先輩のように、人を引き付けられる人になりたいと、心のどこかで思った。
















これが、狐弾蒼先輩との出会いだった。

タラシ→←PROLOGUE



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:カーネーション , 恋愛 , 生徒会 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夕和(プロフ) - sogu508さん» ちょっとそのコメントやめてwwwめっちゃ笑ったwwwww (2022年11月29日 20時) (レス) id: 40c359dc38 (このIDを非表示/違反報告)
sogu508(プロフ) - どうも狐弾先輩です。読者の皆さん俺の彼女がお世話になっています。不思議な気持ちですが毎回楽しみです。 (2022年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 4549537148 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年4月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。