彼女の正体が何であれ【鬼滅の刃】【遊郭編】

誓い ページ36

天元Side



天元「善子と雛鶴はどうした。簡潔に答えろ、問い返すことは許さない」


俺はクナイを京極屋の楼主の喉元に突きつけ囁いた。


楼主は固まり、その後荒い呼吸をしながら冷や汗をかき始めた。


だが、俺はこのクナイを下ろす気はない。


「こうしなければならない」のだ。


楼主は恐怖で声が出ないのか震えるばかり。


仕方ない、少しばかり頼れるところでも見せてやるか。


天元「信用して言え、そいつは必ず俺が殺す。仇を撃ってやる」


楼主はヒュッと息を吸い込んだ。


脳内に殺されたお三津の顔が浮かんだのだろう。


やがて、涙を浮かべながら言った。


「蕨姫という花魁だ・・・日の当たらない北側の部屋にいる・・・！！」


やはりそうか。


遊女のAさんに聞いた、「蕨姫が鬼だ」という情報。


そして、全ての遊女のことを把握している楼主が言った「蕨姫」の名、そして「日の当たらない部屋にいる」こと。


矛盾点が一切ない。


天元(情報提供、感謝する)


心の中でそう言ってから、俺は楼主の前から姿を消した。


楼主が咄嗟に振り向いたが、もうそこに俺の姿はない。




俺はすぐ蕨姫の部屋に向かった。


宇髄「なっ・・・」


部屋には、誰もいなかった。


宇髄(くそ・・・逃げられたか。仕方ねえ、雛鶴のところに急ごう)


俺は作戦を変更し、大切な嫁の一人である雛鶴のもとへ向かうことにした。






蕨姫。


大切な嫁を傷つけた報い、受けてもらおう。


お前は俺が、ここで倒す。

来る→←協力

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す