来る ページ37
ASide
遂に見てしまった。
蕨姫がときと屋の方向へ、圧倒的な身体能力を駆使し向かう瞬間を。
A(始まるんだ・・・)
私はごくりと唾を飲み込む。
それ同時に、今私がやらなければならないことが脳内に次々と浮かんできた。
まずは吉原の皆を、どこか安全な場所に逃さなければ。
どこまでが安全と言えるのかは分からないけれど、やらないよりはましだ。
A『皆さん!逃げてください!!』
私は大声で叫んだ。
「どうしたのよ」
「何事?」
皆が眠い目を擦りながら起きてくる。
A『ごめんなさい、詳しいことは言えません。だけど早く逃げて!』
誰もが唖然とする。それはそうだろう。
だけど私は諦めない。一人で皆を避難させないと!!
A『お願いです、信じてください!』
そのときだった。
胡月「Aちゃんの言うことを信じて、お願い!Aちゃんは中途半端な覚悟でこんなこと言う子じゃない。責任は私達が持ちます、今は逃げてください!」
A『胡月ちゃん・・・!』
どうして胡月ちゃんが?
私、酷いこと沢山言ったのに。
胡月「分かってるよ、Aちゃん。詳しいことは後でちゃんと聞くけど、今は逃がすのが先なんでしょ?」
A『・・・うん!』
いい友達を持てて、私は本当に幸せ者だ。
大勢が私達の言葉を信じて、ばたばたと中心街から逃げていく。
しかし、一向に信じようとしない人たちもいた。
下っ端の遊女の言う事なんぞ信じられない。真夜中に起こすなんてどうかしてる。
そんな言葉が、信じてくれない人たちの間で飛び交っていた。
ふと上を見ると、華やかな帯の柄が見えて私は息を飲んだ。
そしてそれに向かい合うように立つ炭治郎さんの姿が見える。
──────来る。
その瞬間、景色の動きがゆっくりになった。
鮮やかな帯がゆっくりと建物を破壊し、中にいる人を刻んでゆく。
そしてその帯が私にも迫ってきて、
もう終わりなんだ、
善逸くんとはもう会えないんだ、
そう思った。
だけど、最後の最後に「それ」は私を避け、
すぐ横の家にぶち当たった。
蕨姫花魁。
避けてくれたんだね。ありがとう。
だけど私は、蕨姫の味方になることはできない。
ごめんなさい。
私は浮かんだ涙を拭い、無事だった数人と共に歩けない怪我人を運び出した。
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夕和(プロフ) - 語彙力無のネコさん» コメントありがとうございます!堕姫ちゃん可愛すぎるから、本編よりもっと好印象にしちゃいましたw (2022年10月8日 21時) (レス) id: 5def6d75b1 (このIDを非表示/違反報告)
語彙力無のネコ - 最高(*`ω´)b最高最高最高!夢主ちゃんも堕姫ちゃんも可愛すぎぃッッッ!!!♡ (2022年10月8日 21時) (レス) @page19 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 青白の狼さん» それいいですね! (2021年11月23日 23時) (レス) @page48 id: 63ca64d519 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜那(プロフ) - 青白の狼さん» 今の予定だと話が入らないので、続編で入れますね!素晴らしい案ありがとうございます! (2021年11月16日 13時) (レス) id: 0456b1597f (このIDを非表示/違反報告)
青白の狼(プロフ) - 蕨姫パイセン・・・ただ倒すだけでなく、転生後の友情物語もあったらいいなー。 (2021年11月16日 13時) (レス) @page35 id: eebaad3e1e (このIDを非表示/違反報告)
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