彼女の正体が何であれ【鬼滅の刃】【遊郭編】

蕨姫花魁 ページ2

ASide




きっと、この花街で、あの人のことを知らない人はいないだろうな。


あの美貌、あの舞、あの言動。


何をとっても、あの人に勝る遊女は此処にはいない、でしょ？


お三津「Aちゃん、ちょっと！」


突然呼ばれて、私は我に返った。


A『はい！何でしょう』


お三津「何でしょうじゃないよ、今日は蕨姫の身支度の御手伝いをするんじゃなかったのかい！」


A『あ』


・・・ヤッバ。←


お三津「『あ』って・・・また忘れていたんだね？全く・・・蕨姫が待っているよ、急ぎなさい」


A『分かりました、ごめんなさい！』


何も知らない人がこの状況を見たら、私のことをどう思うのかな。


私はいつもこうだ。鈍くて空気の読めない、ドジな私。


こうしてお三津さんに叱られることもしょっちゅう。


だけど、絶対に乗り越えて見せる！いつか、蕨姫のように芸を極めて花魁になるんだ！


蕨姫の部屋の襖の前で、「ふんっ！」と気合を入れていると、突然襖が開いた。


A『わっ！？』


蕨姫「何してるんだい、早く入りな」


A『あぅっ・・・す、すみません、すぐに身支度させていただきます』


蕨姫「当たり前だよ。何言ってるんだい！私は長い間待っていたんだから、さっさとしな」


A『はい、すみません！』


花魁になりたい。


でも今はまだ無理かな？


実力がなってないし、


それに、


蕨姫花魁についていけるのも、京極屋では私くらいだもんね！

ドジ→←設定（更新　2021.11.18）

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