合図 ページ26
A『千花ーー!』
叫んで飛びつくと、千花は驚いたような顔をしながらも受け入れてくれた。
千花「どうしたの姉ちゃん」
A『心配したんだから!』
千花「ごめんね。でもほら、大丈夫だから」
千花の身体がなんともないことを確認した私は、安心して脱力してしまった。
今回のそれは、私達の作戦が不足していたせいで起こったことだ。
千花が機転を利かせてくれたからなんとかなったものの、それがなければ死んでいたかもしれない。
A『・・・ちゃんと作戦立てなきゃね』
改めて言うと、千花は少し微妙そうな顔をする。
千花「そうだね。でも今回みたいに、姉ちゃんは何も知らないままでもいいと思うよ」
どうしたのかと思えばとんでもないことを言い出すので、私は慌ててしまった。
知らないままでいるわけにはいかないだろう。
A『どうして!もし本当に大変なことになってたらどうするの』
千花「そうなんだけどね、・・・でも姉ちゃんが私の罠に嵌るように動けば、勘の良い鬼狩りは気づいちゃうよ?」
A『確かに・・・』
驚いたが、千花の言い分にも一理ある。
千花が鬼狩りに追い詰められていた(設定だった)とき、私は本気で焦っていた。
だから鬼狩りも千花を集中的に攻撃したのだろうし、最後まで騙されてくれたのだ。
もし私が、千花が危機的状況に陥ったとき妙に落ち着いていたり不審な動きを見せたりすれば、鬼狩りに感づかれる可能性も十分あるだろう。
A『でも、心配なものは心配だよ・・・』
千花「それはそうだよね。じゃあ合図でも決めようか?私が本当に危ないって思ったときの合図」
A『それいいね!』
千花「無難に名前とか?助けを欲してるかどうかは、お互いの状況を見て判断できるだろうし」
A『そうしようか』
その日は夜明けも近かったので一旦休み、翌日から私達は鍛錬を再開した。
場所を変えながら何度も何度も動作確認をし、不備が見つかればその都度確認し合う。
気が遠くなるような作業ではあるが、この過程が私達を強くするための糧になっているのだと思えば少しも苦ではなかった。
最後まで生き残れるかはわからないけれど、少しでも私達鬼の勝利に貢献できるように。
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緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
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