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風穴 ページ27

数カ月後。


あれから、私達はとにかく鍛錬を重ねていた。


以前にも増して努力するようになったことの賜物だろうか、かなり実力がついてきている気がする。


もっとも、鍛錬だけでなくしっかりと人間も喰っていることも要因の一つだろうが。


A『千花ー。ちょっと刺突の練習してもいい?』


その日も、私と千花は鍛錬していた。


相手にある程度打撃を与えられるであろう血鬼術の練習を申し出ると、千花は快く応じてくれた。


集中力を高める。


実践ではそんな時間など与えられないだろうから、百発百中に限りなく近づくほど精度を上げる必要がある。


とはいえ、前に比べればかなり早くなったのだからよいと言っていいだろう。


”血鬼術 刺突”


私の体から斬撃が飛び出す。


千花がすんでのところでそれを避けた。その背後にある樹木に、私の攻撃がぶつかる・・・。


べべん。


その木に風穴が開いたのか、開く直前だったのか。


それはもう分からないが、兎にも角にも私の耳にあの琵琶の音が響いた。


同時に、無限城に飛ばされる。


木を貫くはずだった私の攻撃は、その場所にあった柱を貫通して、更にその奥にある壁すらも破壊していった。


遠くで大きな音。


その音が鳴った場所で攻撃が止まったのだろう。


しかし、その攻撃がどこで止まったのかなど問題ではない。


明確なのは、大事なのは一つだけ。


A『穴・・・開いた・・・』


これ、大丈夫か?


・・・多分、大丈夫じゃない。


千花も固まっている。どうしよう・・・。


見ると、定位置に鳴女さんがいた。


相変わらず前髪のせいで目は見えないが、彼女の視線が柱やその先にある壁に向いているのは明らかだった。


A『ご、ごめ、ごめんなさい!!』


急いで謝ると、鳴女さんが柱から私へと視線を移した。


無表情のため、何を考えているか本当に分からない。いっそのこと、激怒した表情になってもらった方が安心かもしれなかった。


鳴女「御安心ください。撤去しておきます」


相変わらず淡々とした言い方で鳴女さんが言った。続いて琵琶の音。


重々しい音を立てながら、柱や穴の開いた壁が、城の奥へと消えていった。


A『あの、・・・大丈夫なんでしょうか・・・』


おずおずと聞くも、鳴女さんは表情一つ変えない。


鳴女「それはあの方が決定なさることです」


A『・・・』


まずい。かなりまずい。


無惨様を怒らせたりすれば、もう終わりだ。

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緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月31日 18時

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