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A『千花』


動かない妹にかけた私の声は情けなく震えていた。


どうして千花がこんな目にあわなければいけないのだろう?


怖かった。


一人になるのが、怖かった。


こんなことになるなら、私が鬼になどならなければよかったのだ。


そう、自分の行いを後悔する。


千花はまだ息をしていた。


しかしその心音はどんどん小さくなってゆく。


最期が近づいている。


そう悟った私は、切り離されていない方の千花の手をそっと取った。


温かい。


まだ(・・)温かい、とそう思った。


A『千花、ごめんね』


小さくつぶやくと、目の前の千花が私の涙で揺らいだように見えた。


溢れる涙を拭おうともせず、私は呼びかける。


A『守れなかった。姉ちゃんなのに、守れなかった』


千花が動かず喋らないことが、今の私にはありがたかった。


泣かないでだとか、ありがとうだとか、そんなことをとぎれとぎれに言われれば私は耐えられないだろう。


A『ごめん。・・・私も、そっちに行くよ』


無意識に口走る。


千花に怒られるだろうな、と半分麻痺したようになっている頭でふと考えた。


──私が死んで悲しいかもしれないけどさ、姉ちゃんはこれから幸せになるべきだったじゃん!


──死んでほしくなんてなかったよ!


死んでそっちに行った私を見て、千花はそう言うのだろう。


でも、そのあとで笑って私を許してくれる。そう確信していた。


私は人を殺したから、千花と同じ方へは行けない。


だとしても、千花がいない世界で生きていく意味は見いだせなかった。


ならばいっそ、死んだほうがいい。







千花を襲った鬼が急に騒ぐのをやめた。


まだ太陽は昇っていないはずなのに、どうしたのだろう?


いや、私には関係ない。


周囲が何をしていようと、何を思っていようとどうでもよかった。


千花は赤系の着物がよく似合っていたと唐突に思う。


赤や桃色の綺麗な着物を着て無邪気に笑う千花は、鬼になる前の私ですら可愛いと感じるほどだった。


そして今、千花は白かった寝間着を朱に染めて横たわっている。


なんという皮肉だ。


千花の手は徐々に温度を失ってきていた。


せめて、千花が死ぬところは見届けてやりたい。


手を握り直した私の耳に、聞き覚えのある声が響いた。

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緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月31日 18時

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