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「よかった、起きたのね」
私にまず話しかけてきたのは、とても綺麗な女性だった。
見た目からしてきっともう成人しているだろう、優しい笑みを称えながら私を見ている。
隣で目を輝かせるのは、私より年下と思われる少女だ。
小学生くらいだろうか、とても澄んだ目をしている。そして…可愛い。
更に、私が寝ているベッドを挟んだ反対側には少年が二人いた。
一人は少し年上の快活そうな少年で、驚いたような顔をしながら私を見ている。
もう一人は少しも喋らない。表情が全く読み取れなかった。
彼は私と同い年くらいだろう。
かなり個性的な面々だが、彼らに共通していることが一つだけある。
(…何のコスプレだったっけ)
寝起きでぼんやりした頭で考える。皆、コスプレとしてしか見ないような格好をしていたのだ。
現実世界で実際に着る人などいないような派手な服装に派手な髪。彼らはコスプレイヤーなのだろうか?
「驚かせてしまったわよね?ごめんなさい」
年上の女性が笑みを崩さないまま謝る。
あ、いえ、と曖昧に答えながらも、私はまだこの状況を理解できないでいた。
想像してみててほしい。
地震が起こって、タンスの下敷きになって、目を覚ませば目の前にコスプレイヤーたちがいるのだ。
おかしい。おかしすぎる。
「あの…ここ、どこなんですか?皆さんコスプレされてますけど、何がどうなってるの?」
恐る恐る質問すると、女性が説明しようと口を開きかけた。
しかし、その声は違う人物によって遮られた。
「こ、コスプレって!こいつ、コスプレ…やばすぎる」
活発そうな少年だ。
爆笑して、「コスプレって」を繰り返している。
「ばっかじゃねえの、これがコスプレみたいな安物の服に見えるのかよ」
あーお腹痛い、と隣にいる少年を叩きながら笑う彼に対する苛立ちが募る。
叩かれている少年は、相変わらず無表情だった。
「いやそんな笑われてもさ、私何も聞いてないんだけど?地震来て、タンスに潰されて、気づいたら知らない人たちがいるんだよ。それなのに、何なのほんと意味分かんない」
いけないことだとは知りつつも、つい言い返してしまう。
「あっそ、ごくろーさまでした。だって馬鹿すぎて!コスプレはおかしいだろ」
笑うことをやめない少年と、あのねえ、と言いかけた私を諌め、女性が改めて説明を始めてくれる。
「ここはゲームの世界。ようこそ、AAちゃん」
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たまき - やほ。本人です。ネットワーク障害でpc使えなくなったので今日は来れないごめん。これはおじいちゃんのスマホw (2023年1月29日 8時) (レス) id: 552d662989 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます!こちらの作品でコラボさせていただいているキル坊と申します!お褒めの言葉とても嬉しいです、更新頑張れます!ありがとうございます! (2023年1月27日 18時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます!私のアイコンはpicrewの「少年少女好き?」様で作らせていただきました。 (2023年1月27日 18時) (レス) id: ad7268cde5 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - 更新頑張ってください、あと、気になったのですが、たまきさんのプロフィールの画像ってどこで作られたものですか? (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - この作品大好きです! (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
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