12 香り ページ14
鬼道side
教室に入ると何時ものように机で本を読むAが目に入った。
鬼道「おはよう」
「あ、有人。おはよう」
本に栞を挟む仕草は、見慣れた。
本を机の中に入れると、俺の方に体を向けある言葉を発した。
「有人は好きな人、いる？」
一瞬にして心拍数が上がるのを感じた。
Aにこういう話をされるのははじめてだからだ。
鬼道「婚約者はお前だ。そういう人間は他に必要ない」
こんな言い方、ないと思う。
……が、今はこうするのが精一杯だった。
「じゃあ、好みは？」
鬼道「………真っ直ぐで、見た目に合わず知的でサッカーが大好きな奴、だな」
「そんな固定してるなら、好きな人やっぱいるんだよね！」
こいつは、ほら。
お前は俺の婚約者なのに、そういうのに嫉妬とかしない。
いや……、俺を恋愛対象として見ていないのかもしれない。
鬼道「………………いる」
「ほら、やっぱり！」
次の言葉に、俺は目を見開いた。
「私、親に婚約を破棄してって頼んだの」
鬼道「………え……」
「有人、好きな人いるんでしょ？」
やめてくれ。
「財閥とか、もう縛られちゃダメだよ」
やめてくれ。
「それにね、」
それ以上、
「私も頑張ってみたいの」
言わないでくれ。
「好きな人、振り向かせたいの」
そうだ。
こいつは真っ直ぐで、正直で、
それでも、高貴という言葉がぴったりだ。
だからこそ、俺の気持ちに気付いてくれない。
真っ直ぐだから、だからこそ。
呆然とたっていると、歩き去ったAの制服から、
佐久間と同じ香りがしたのは
気のせいじゃなかった。
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朱晴(プロフ) - 海潮 すいさん» ありがとうございます！幸せなんて勿体無い言葉です！ (2015年3月20日 1時) (
レス) id: f5de4266e3 (このIDを非表示/違反報告)
海潮 すい(プロフ) - 佐久間の可愛い一面見れて幸せです！！ (2015年3月15日 21時) (レス) id: 23bedb49f9 (このIDを非表示/違反報告)
奏李(プロフ) - 雛月のえるさん» はい！ありがとうございます^^ (2014年12月31日 15時) (レス) id: f5de4266e3 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - 佐久間可愛い♪このまま上手くいって欲しいなー♪あ、更新頑張ってくださいね。 (2014年12月31日 14時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
奏李(プロフ) - ゆーみやン＠イナシリらぶ!!さん» 有難うございます！がんばりますっ笑 (2014年12月15日 18時) (レス) id: f5de4266e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱晴 | 作成日時：2013年9月25日 6時
