再会、そして動き出す 3 (ページ33)

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104 Haruka side ページ33

遥香「そんなこと、言わないでよ…」

『でも、』

遥香「悲しくなるじゃん」

翔くんは何も悪くないのに、つい口調が強くなっちゃう。

そんな私こそ、ごめんね。

遥香「私は大丈夫だから」

安心させようとそう言っても、翔くんの顔は曇ったまま。

遥香「…そりゃ、まだ今は大丈夫じゃないけど、でも、私が自分の意志で決めたことだから大丈夫」

『…遥香』

遥香「うん？」

『いつも、強がらせてごめんな』

バレてた。

強がってるだけだって。

遥香「ばか…もうごめんはいらないよ」

『…うん』

私の強がりは虚しく散って、湿っぽい空気が流れる。

無言の空間に、翔くんが荷物をリュックにしまう音だけが響く。

『じゃあそろそろ…』

遥香「…うん」

あーあ。

結局、終わりはこんな感じになっちゃうよね。

玄関で靴を履く翔くんの背中に抱きつきたい衝動を、自分の足を見て堪えていたら。

急に、翔くんの大きな手が視界に入ってきて。

驚いてパッと顔を上げると、

いつの間にか靴を履き終えて振り返っていた翔くんが、私に右手を差し出していた。