【d!】大好きやで、無能。【sha】

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翌朝。無事、後頭部のケガが治った私は、食堂へ向かっていた。


「おはようございます。」

私がそう一言言っただけなのに、みんな私の周りを囲んできた。


「大丈夫だったかA!?」

「ご、ごめんな、俺のせいで･･････」

「謝らないで、師匠。油断してた私が悪かったんだから」

そう言ってもまだ頭を下げてくる師匠。なんだかこっちが申し訳ない。


「マジで俺、師匠失格だわ」

「そんなことないです!私にとって師匠は強くて優しい、めっちゃ大切な人ですから」

「えっ･･････!?」

師匠の顔がみるみる赤くなる。かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい。
大切な人だってことは本当。師匠がいなかったら、私はまだ弱い一般兵で、すぐに戦争で死んでしまっていたんだから。

「とりあえずみんな席につけ。朝食の時間だ。」

「「「「いただきまーす」」」」


実を言うと私は、少し期待していた。シャオちゃんが、私を“A”って呼んでくれることを。
でも････････････




「無能、何こっち見とんねん。きしょいわ」

「ごめんなさい」


現在はそうはいかない。やはり今日も無能と呼ばれる。鬱先生も、困惑した顔で私たちのやり取りを見ていた。


「A、それしか食べてへんのか？」

「あー今日はちょっと食欲がなくて」

「だめや。ちゃんと食え。病み上がりなんやから」


そう言って大量にご飯を持ってくる師匠。そんなにいらないんだけど･･････

「ほい、食え」

大きなお茶碗を私の前に置く。もしかして、これ、食害ってやつ?
噂には聞いていたけど、師匠はよくコネシマさんやショッピ、チーノに食害するって。師匠は優しい人だから、嘘だと思ってたんだけど･･････

目の前にあるてんこ盛りの真っ白な米を見て、そうは思えない。
こんなに食べられません、と言おうとして師匠の方を向いたけど、目が殺気に溢れていて、食べないと殺されそう。仕方なく、私は箸を持った。


その日、私のお腹は苦しすぎて訓練ができなかった。

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