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昼休みのときのこと。
「あ、Aちゃん、この書類をシャオロンに渡してきてほしいめう〜」
偶然通りかかったとき、オスマン様に声をかけられて私は普通にそれを受け取った。
何で私なんだろ・・・・・・みんなシャオちゃんと私の仲が悪いのは分かっていると思うんだけどなぁ。
そう思いながら、私はシャオロンがいつもいる部屋に向かって歩く。
「シャオロンさん、入りますよ。」
軽くノックした後、私はドアを開けた。見えたのは、なぜか少し慌てているシャオちゃん。
「・・・・・・どうしたんや、無能。」
「オスマン様からの書類です。」
どうぞ、と一言言うと、シャオロンはバシッと書類を奪う。
やっぱり、私のこと嫌いなんだな・・・・・・
謝りたい、今すぐに、あのことを。でも、どうしても、私の口から“ごめんね”の4文字は出てこない。
──────私は弱虫だ。
「無能、用がないならさっさと出ていけ。」
シッシ、と手を振り払うような仕草をしてきたから私は最後に、
「すいません、失礼しました。」
とだけ言って部屋を出た。
今日もまた、言えなかった。そう後悔するのは何度目だろう。
「・・・・・・はぁ、」
小さくため息をついたとき、
「Aチィィィイイイッス!!」
と、元気な声が後ろから聞こえてくる。
「こんにちは、師匠。今日の気分は絶好調ですか?」
「当たり前やろ!さっきシッマと手合わせして圧勝したんやから!」
「おお、おめでとうございます。」
私は音のない拍手を送った。
───ゾム師匠。弱かった私を幹部にまで成長させてくれた恩人。そしてとっても強い人。
「A、今から手合わせしようや!」
「え、今からですか?」
「ダメか?」
しょんぼりした顔をする師匠。かわいいすぎて反則、私よりかわいいじゃん。付き合おうか。
・・・・・・冗談はここまでにして。
「いいですよ。久しぶりにやりましょうか。」
「よし!!そんじゃ行こうか!」
今度はすごく明るい表情を見せる師匠。かわいいかわいいかわいい、結婚しよう。いや、結婚する。
脳内でふざけていたら、いつの間にか師匠の姿は豆粒みたいに小さくなっていて、私は急いで追いかけた。
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夢小説好き - は?こんなん面白くないわけないやろサイコーでしたぁぁぁ!! (2023年1月4日 0時) (レス) @page22 id: ad36c9c049 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴネコ(プロフ) - #よにん。@変人カップル&str48&踊り子さん» ありがとうございます!! ステキナサクヒン……ホントウデスカ?アリガトウゴザイマス。(驚きすぎてバカになった模様) (2022年5月4日 17時) (レス) id: 5e5c398b51 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。@変人カップル&str48&踊り子(プロフ) - 素敵な作品でした。面白かったです! (2022年5月2日 1時) (レス) id: db8200fcef (このIDを非表示/違反報告)
イチゴネコ(プロフ) - 00さん» ほ、本当に見に来てくださってる!?評価(?)ありがとうございます(´Д⊂ヽ (2022年4月19日 21時) (レス) id: 5e5c398b51 (このIDを非表示/違反報告)
00 - 読みに来ました~!とっても面白かったです!!最後、二人が前のように、いや前よりも仲が深まり、とても良い終わり方でした。最後のzmさんの一言も良いですね。 (2022年4月19日 21時) (レス) @page19 id: cf637bbb7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴネコ | 作者ホームページ:ホームページとか作ってみたいなぁ
作成日時:2022年3月6日 16時