【d!】大好きやで、無能。【sha】

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あれから十日後にシャオロンは無事回復し、またいつもの日々に戻ってきた。
･･････でも少しだけ、シャオちゃんが前よりも優しくなった気がした。

私と話すときはよく笑ってくれるし、ときどき目を合うようになった。

なんだろう･･････前はシャオロンと仲良くなりたいって毎日思ってたけど、いざそうなると、やっぱり緊張するっていうか･･････心臓がバクバクする。おかげで仕事とか訓練のときに集中できない。
困ったものだ。





「なぁ、無能。」

「･･････はい？どうかしました？」

射的訓練をしていたら、突然シャオロンに声をかけられた。冷静に返事をするが、もう私の心臓爆発しそうなんだけど。
シャオロンはライフルを地面に置き、私の目をしばらく見て、頭を下げた。


「今まで、ごめん。」

「え？な、何ですか急に？顔を上げてくださいよ」

私の言葉を無視して、下を向きながら話し始めた。


「俺、お前に軍に入ってほしくなかった。」

「･･････私が、弱いから？」

「ちゃう!!!」

シャオロンが即答する。


「軍にいたらお前死んじゃうやろ？俺はお前が普通に暮らせて、誰かと結婚して、幸せになってほしかった。こんなところから出ていってほしかった。だから･･････」






“俺はお前を、無能と呼んだ”





なんだよ、それ･･････あれは私のためだったの？どこまで君は優しいんだよ･･････



「シャオロン、バカだね。私がそんなんで出ていくわけないじゃん。昔から頑固なの、シャオロンも知ってるでしょ？」

「せやったわ。お前そんな奴だったな。」

「思い出した？シャオロンは昔からいつも私を守ってくれてたんだよ。今回の戦争も･･････」

「ホンマにお前はよそ見しすぎなんだよ。」


シャオロンはニコっと微笑んだ後、強く私の手を握り締めた。





「･･･････世界一大好きやで、“A”。」



本当にもう、このバカは･･････カッコよすぎるんだよ、昔から。
私はシャオロンの手を握り締め返して、とびっきりの笑顔で言った








「私も、大好きだよ、シャオちゃん!!!」

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