18 ページ19
ロボロside
朝、いつも通りの時間に出勤して、2年1組の教室に入る。
でも、やはり今日もAからのイタズラはない。
彼女は珍しく、おとなしく机に座っていて、夢中で紙に何かを書いていた。
「……何しとるんやろ。」
声をかけてみよう、とも思ったが、文化祭の日、屋上で自分が言った言葉を思い出す。
────大嫌いや。
「何であんなこと言っちまったんやろ。」
あのときの自分を殴ってやりたい。何で素直になれないんや。何であんな冷たいこと言ったんや。
でも、過去は変えられない。言った言葉は取り消せない。
……俺って、ホンマにバカだよな。
「…………せい……あの、天野先生!」
「うおっ!?A!?」
俺は驚きながらも、嬉しい気持ちで後ろを振り返ったが……
「残念でした、黒崎さんではありません。」
クラスの学級委員の女子だった。
「ああ、すまん。どうしたんや、山崎。」
「音楽の課題、昨日提出するのを忘れてたので、渡しに来ました。」
礼儀正しい言葉使い、課題を1週間以内には提出するところ、アイツとは、大違いやわ。
……何か最近、俺、Aのことしか考えてへんわ。ホンマにアホになったんか？
「天野先生、最近、黒崎さんにいじられなくなりましたね。」
「え!あ、ああ、せやな。」
やはり、このクラスの生徒もそう感じているんやろか。
「……何か、寂しいですね。」
「……せやな。」
「Aさんのイタズラがない生活が、こんなにも悲しいなんて思ってもいませんでした。
いつも、私たちは、Aさんのあのイタズラで、自然に笑顔になっていたんですね。」
山崎が、Aを見ながら俺に話す。その視線には気づかず、黙々と何かを書いているA。
「……私、またあのいつもの騒がしい生活に戻りたいです。」
山崎の言いたいことが、なんとなく理解できた。
みんな気づき初めているんや、アイツがいつもと違うことに。それが俺と関係あることに。
……Aがﾀﾋぬ前に、仲直りした方がええんか?
いや、そうに決まっとる。
けど……俺にそんな勇気はない。俺、自分が思ってたよりも、案外弱いんやな。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
ラッキーメンバー
エミさん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢小説好き - あれ？おかしいなこんな夜中だったのに目から塩水が、、、 (2023年1月3日 23時) (
レス) @page27 id: ad36c9c049 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴネコ(プロフ) - Reiさん» ……こちらこそ、この作品を読んでくれてありがとうございます。私もあなたのコメントで泣きそうになりました。 (2022年9月28日 17時) (レス) id: 5e5c398b51 (このIDを非表示/違反報告)
Rei - ……………めっちゃ久々に泣きました、ありがとうございます。 (2022年9月28日 16時) (レス) @page26 id: 3f6ebddef1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴネコ(プロフ) - おそらさん» ありがとうございます！！お気に入り作者登録なんて本当に嬉しいです！！ 応援ありがとうございます。頑張ります！！ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 5e5c398b51 (このIDを非表示/違反報告)
おそら(プロフ) - これからも頑張ってください (2022年5月23日 21時) (レス) id: 3751f38b02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イチゴネコ | 作者ホームページ：ホームページとか作ってみたいなぁ
作成日時：2022年2月4日 19時
