43.自爆行為 - N - ページ17
「ここで一旦様子見て、それからジャンプッ…」
「あぁー、そうやるんだ…」
ゲーム機を離さなかったAの身体を自分の膝の間に挟むようにしてベッドに座り、
後ろから手を回して無理矢理ゲーム機を奪ってはみたものの
「カズ？もういい？貸してよ」
「……あ、うん」
これは自爆行為だったのかもしれない
鼓動が伝わりそうなこの距離に、この…甘ったるい髪の毛の匂い。…危険な意味で、酔いそうだ
「A…シャンプー変えた？」
「うんー」
「女子力高すぎない？この匂い」
「そんなのカズに分かるのー？」
「分かるよ」
お前が彼女なら、俺はとっくに理性を捨ててる
「良かったな、彼女じゃなくて」
「……ん？なに？」
「はぁ…何でもない」
この人、こんなに集中する程ゲーム好きだった？
こっちはこの体勢からなかなか動けないでいるっつーのに
・
・
「ねぇ、そういえば相葉さんとのデートどうだったの」
少し前の話だけど、最近忙しかったのもあって聞けずにいたこの話題
こんなラブいカップルみたいな体勢で振るような話でもないけど、ずっと気になっていた事だ
けど、
「A？」
返事が無い
とうとう俺の声が届かなくなる程ゲームにのめり込んだか？と、Aの肩口から顔を覗いてみる
「……まじかよ」
瞼は綺麗に閉じられていた
静かに寝息も立てている
一体いつの間に？
睡眠薬でも入ってたか？さっきの紅茶…。
とにかくちゃんと寝かさないと。
「A、寝るならベッド行けよ」
「………ん」
だいぶタイムラグがあったけど、何とかAは立ち上がった。…が、その足は思わぬ方向へ
「違う、自分のベッドに行けって」
「……」
「うわ、完全に寝やがった…」
自分の部屋だと寝ぼけていたのか俺のベッドで深い眠りについたA
さすがにこれは……起きてもらわないと困る
「あのー、ここ俺のベッドなんですけど」
「…」
「Aさーん」
「…」
「早く起きないと襲っちゃうよ」
「…」
「あぁーっもう！」
無邪気な顔して寝てんじゃないよこのバカ
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作者名：ミト
| 作成日時：2019年11月4日 11時
