プリムラ 3 (ページ35)

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こんぴとの約束 m.k ページ35

本髙克樹

ちゃんと。ちゃんと伝えなくちゃ。
こんぴと大光にちゃんと好きって言うって約束したもん！

でも大光の抱きしめる力が強すぎてちょっと話すには苦しい。

「んぐっ…… 」
「あ、ごめん。苦しかった？」
「ん、ちょっと。」

力が緩まっても自由には動けない。

「た、たいこうあの、好きだよ……？」
「なに急にそんなこと言ってるの」

「俺は大光のこと大好きだから、大光が思ってるよりも大光のこと好きだから。

その……あの……安心？して欲しい……です……」

わかんない。こんぴこれで大丈夫？
大光急に黙るから怖い。顔も見れないし。

だけど、なんかこの感じがすごく好きだなって思う。
大光に抱きしめられてると心地よくて。

ああ「好き」だな。

さっきまで無言だった大光が突然むくっと顔を上げる。
耳元で聞こえる「本当に俺のこと好き？」。
まだ、信じて貰えないの……？
俺はこんなにも大光のことが……

「好きなら、今卒業祝いちょうだい」

ふえっ？

あ、あ、忘れてた。
そうだ。昨日楽屋で練習してたら矢花に見られて、その後矢花になんか好きって……

あとその

「大光その顔キモイからやめて」

「あのさ、人のキス顔にキモイとかやめてくれない？」

「ご、ごめんなさい……でも本当に……」

「もう一回追って傷つけようとするな。お前はいつもこの顔にキスされてドキドキしてんだぞ。」

「うっ……」

大光にキスされると、ふわふわして気持ちよくて何も考えられなくなるからなにも言い返せない。

キモイって言ったけど、本当は照れ隠しなんだ。ごめんね大光。

話がパンパンと変わってちょっと追いつけないのだけれど、大光にちゃんと信じてもらいたいからやるしかない。

あんまり練習は上手くいかなかったけど、一瞬大光の唇に自分から触れればいいだけだから……って、なんかこの表現恥ずかしいな。

「あの、……じゃあ目を瞑ってもらっても大丈夫でしょうか……」
「こう？」
「うん……あの唇は尖らせないで」

すごくすごく恥ずかしい。
こんぴにそばにいて欲しい。

でもこんぴは克樹がするならなんでも喜んでくれるよって言ってくれたから、それ信じて頑張る。

顔をちかづける。
鼻と鼻がぶつかりそうだ。

「ねえ、まだ？」

ちゅ。

何も聞こえない。

　