３曲目 ページ3
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『へぃらっしゃ〜い！
・・・・お、おめぇか。
空いてんぞ。』
いつも行く、席数も１０席足らずの廃れた居酒屋。
カウンターの隅っこ。
帽子を深く被り直して椅子に座る。
・・・・・だからと言って、俺を知る人はいない。
隠す必要も無い。
でも、「俺が」嫌なのだ。
『おぅ、おめぇはビールでいいのか？』
それには答えず、下を向いて手をヒラヒラさせる。
ここの主人には、それで通じるのだ。
『はいよっ』
ドン、と瓶ビールとグラスが置かれる。
『お通しは？
今日はブリ大根だぞ。』
また、手をヒラヒラさせる。
『あいよ。』
コトンと置かれた小鉢には
ブリ大根が湯気を出している。
左手でビンを持ち、右手のグラスに中身を注ぐ。
グラスを主人の前に軽く出すと
『おう。』と
返事する主人の声を聞きながら
ビールを飲んだ。
ビールを１口飲んだ後で
割り箸を割り、箸で小さく切った大根を
ハフハフ言いながら食べる。
・・・・うん、美味い。
頷く俺を見たのか、店主が
『そりゃ美味いに決まってんだろ？』と
自慢げに言う。
.
ビールを１本飲み干して
ブリ大根と、ナスの１本漬けを食べた後に
店を出た。
タクシーで都心のビジネスホテルへ向かう。
ビジネスホテルのエレベーターに乗り
とある一室へ入って行く。
ここで繰り広げられる情事は
ただの「生理現象」であり
「暇つぶし」である。
・・・・ま、良く言うと
「ネタ探し」
だな。
相手は誰でもいいからさ。
・・・・・あ、でも
着用するもんはしっかりと。
生とかさ、ありえないから。
俺の名前は毎回偽名。女の名前は呼ばないよ？
呼ばないっつーか、覚えらんない。
お互い、後腐れなく発散できるなら
それでよくない？
.
２時間位でビジネスホテルを出て、
終電前の駅へと歩く。
何をするかって？？
・・・・・人を「視る」んだよ。
これも「ネタ探し」。
色んな人が居るからね。
ほら、合コンらしき軍団。
その中で、女達の火花が散ってる。
その矛先・・・・あぁ。
あの顔の濃い男か。
今度はグデングデンの会社員２人。
肩を組んで、１人はあひゃひゃ〜なんて笑ってる。
あ〜。もう１人が持ってる小さい箱が
摘まんだ指から落ちそうに揺れてる。
あれ、持ち帰りの寿司だろ？
・・・あんな若いのに、残念過ぎる２人だな。
・・・ん？
ふと、人混みから視線を感じた。
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遙奏(プロフ) - 嵐軌龍 愛知さん» ありがとうございます！どうか、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。どうぞ、これからもよろしくお願いします☆ (2013年6月11日 18時) (
レス) id: bac5a87187 (このIDを非表示/違反報告)
嵐軌龍 愛知(プロフ) - すっごく面白いですね！次章期待してます！！！ (2013年6月11日 15時) (レス) id: 4a97d6072e (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年4月9日 0時
