【アレスの天秤】私の兄は西蔭政也【谷崎義弥】〜リメイク〜

32【西蔭目線】 ページ32

ちなみに、野坂さんの服装はジャージだ
…だからなんだって思っただろ？

野坂さんが俺を呼び出した時の要件は着ている服装を見れば大体わかる
出かける時は私服、食堂での食事や話があるときはジャージ

…まあ、実際に野坂さんの服装を見ないと要件がわからないが……

西蔭「野坂さん、話とは？」

野坂「僕は別に話があるとは言ってないけど？」

しまった、別の要件だったか…

だが夕食にはまだ早い……まさか…買い物を頼もうと…

野坂「まぁ、話であってるけど」

俺の推理が当たった！……ん？推理というのか？

野坂「とりあえず座って……で、話なんだけど…」

西蔭「はい」

俺はテーブルを挟んで野坂さんの向かいに座り、正座をする

野坂「Aちゃんの事で」

Aについて…？
谷崎と付き合ってることについてか？
だがそれならAについてという言い方はしないよな……Aと谷崎についてって言うはず……

野坂「西蔭はさ、Aちゃんと会話してる？」

西蔭「会話…？」

しかも俺と？なんでそんなことを聞くのだろうか…

西蔭「Aに避けられてるので……あまり…」

野坂「なんで避けられてると思うの？」

西蔭「え…？」

なぜ野坂さんはそんなことを聞くのだろうか……

野坂「西蔭を避けてるというより怖がってるように見えるけど」

西蔭「怖がってる？」

たしかに目つきは悪いが……

野坂「あとさ、西蔭ちょっと風邪気味でしょ？」

西蔭「そうですが…」

野坂「声のトーンがいつもより低いからさ、怒ってるように聞こえる」

そう言いながら野坂さんは、ポケットから箱を取り出した

野坂「のど飴あげる」

西蔭「あ、ありがとうございます…」

…箱が開いてる…野坂さんの使いかけ…？

野坂「治ったらAちゃんと話すんだよ？」

西蔭「話すってなにを…」

野坂「兄妹らしいこと」

……とりあえず、なんで避けてるか聞くか…

野坂「あ、ちゃんと優しい口調で話すんだよ？」

西蔭「分かってます」

Aは怖がってる…？
まぁ、野坂さんが言うならそうなんだろうな…

33→←31【西蔭目線】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す