敵愾 ページ27
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世の中には色々な人がいる。
日々生きていく上で充分肝に銘じていたことだが、呪術師になってからは特に顕著だ。常人離れしてした片割れは勿論、担任が目隠しを常にしていたり、先輩がパンダだったり。
だからもう大抵の事には動揺しないと思っていた。
世の中には本当に色々な人がいる。
俺が目にしてきた色々な人は想定外が通常運転なだけで、決して悪いものではなかった。だから忘れていた。此処には嘲笑って同級生の死をコケにして弄ぶ奴なんていなかったから。世の中には、悪意の刃を平然と故意に突き付けられる奴がいると、忘れていた。
｢"器"なんて聞こえはいいけど、要は半分呪いの化物でしょ。そんな穢らわしい人外が、隣で不躾に"呪術師"を名乗っていたことに虫唾が走っていたのよね？死んでせいせいしたんじゃない？｣
｢…A｣
わかってる、わかってるよ伏黒。
相手は先輩だし、交流会前にいざこざを起こすのは得策じゃない。京都校は悠仁の人となりを知らないからただの得体の知れない宿儺の器なのも知っている。この人が特段性格が悪い訳でもなく、世の中には同じような奴らがゴロゴロいる。何より、そういう俺も自身がどうしようもない悪い奴だと、知っている。
でも、部外者に知ったような口を利かれるのは腹が立つ。
『お前は悠仁の何を知ってんだよ』
｢そんなに睨まないで、A君。私達、似た者同士でしょ？出来損ないの双子を持つと大変よね。少しは傷を舐め合わないとやってられないわ｣
｢真衣、どうでもいい話を広げるな｣
ああ、頭が痛い。
最近立て続けに任務か鍛錬ばかりしているからだろうか。一刻も早く悠仁を殺した奴らを呪わなきゃいけないのだから、休みなんてとっている暇はないし、こうやって無駄に時間を消費する訳にはいけないのに。布の感触がなくなった頭に手を這わせ、雑音を消すように軽く爪をたてた。
｢…アンタ、また顔色酷いわよ｣
『マジ？ハハ…』
顔を覗き込まれてはぐらかす様に顔を背けた。
釘崎伏黒始め、俺が休みなしに任務や鍛錬に行き始めてからよく顔色を心配される。そんなに酷いのかと若干自分で引いた。でも力づくで止められたりはしないのでやめる気はない。力づくそうな五条先生はなんだか忙しそうだし。
じとっと見つけてくる二対の目から逃れて、目の前のマッチョに向き直る。
｢伏黒とAと言ったか。どんな女がタイプだ｣
世の中には、本当に色々な人がいる。
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てふ(プロフ) - しゃけさん» ありがとうございます。結構尖った作品なので不安でしたが、好きになって貰えてとても嬉しいです！ (9月8日 3時) (
レス) id: cfa7e5adb6 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ - こんなにドストライクな作品初めてみました。とても好きです。 (9月7日 23時) (レス) @page24 id: a0f7c3b137 (このIDを非表示/違反報告)
てふ(プロフ) - 柴イヌさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えれるよう頑張ります！ (8月21日 12時) (レス) @page21 id: cfa7e5adb6 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - めっちゃ面白いです！続きが待ち遠しいです。作者様のペースで次回作待ってます！ (8月21日 9時) (レス) @page21 id: a0f7c3b137 (このIDを非表示/違反報告)
ちと(プロフ) - へいさん» お返事遅れて申し訳ありません。大変嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2022年10月21日 1時) (レス) id: 20c14f813d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年8月31日 19時
