熟慮 ページ18
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伏黒周りを見渡して、それから酷く焦燥した様子で叫ぶ。
視線の隅に、壁にめり込んでいる白と赤が見えた。
あれって、さっきまで伏黒の傍にいた…
｢逃げるぞ！！釘崎を探すのはそれから、だ…｣
伏黒と悠仁の間に、呪霊が立ち塞がった。
俺は二人よりも少し離れているというのに、とてつもない重圧が俺を潰しにきている。先程の比じゃない程に冷や汗が湧き出る。膝は笑い動いているのに、肝心の脚が全く動かない。
動け。動け。動け。動け。動、
｢う"あ"あああ！！｣
この場に似つかない軽快な音が鳴った。
それに倣って腕が円を描くように飛ぶ。俺の目の前に、その手に握られていた屠坐魔と共に力なさげに倒れ伏せる。
誰の。人の。屠坐魔を持ってた、俺の片割れの。
｢ここまで近づかれたら逃げらんねぇ！俺が死んだらオマエも死ぬんだろ、それが嫌なら協力しろよ宿儺！｣
｢断る。オマエの中の俺が終わろうと切り分けた魂はまだ18もある。とは言え腹立たしいことにこの
護りたいのに。俺は悠仁を護って生かしたいのに。
俺はこうして震えてる間に、悠仁は片腕をなくした。
自分の底にある恐怖にアイツは勝てて俺は勝てなかった。
そこだけで俺とアイツの差は歴然で、よくも護るなどと謳えたものだ。実際の俺はこんなにも情けない。
｢だがその時は呪霊よりも先に
｢んなこと俺がさせねぇよ、Aも死なねぇ｣
そもそもが傲慢だったのだ。悠仁を護るという思いはずっと前からあったはずなのに、何処かで悠仁は大丈夫だと思ってた。あの人並み外れた身体能力があれば、俺が護るなど必要ないと思っていた。
だからあの時学校に行かなかった。
いつも通り悠仁なら大丈夫だって過信して、じいちゃんの遺言も無視して家に籠った。なのに飯作っても寝てもずっとモヤモヤして、やっと片割れに会えたかと思えば、得体の知れない物を他人の為に食って秘匿死刑。
なんの冗談だと、笑い飛ばしたかった。
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てふ(プロフ) - しゃけさん» ありがとうございます。結構尖った作品なので不安でしたが、好きになって貰えてとても嬉しいです！ (9月8日 3時) (
レス) id: cfa7e5adb6 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ - こんなにドストライクな作品初めてみました。とても好きです。 (9月7日 23時) (レス) @page24 id: a0f7c3b137 (このIDを非表示/違反報告)
てふ(プロフ) - 柴イヌさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えれるよう頑張ります！ (8月21日 12時) (レス) @page21 id: cfa7e5adb6 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - めっちゃ面白いです！続きが待ち遠しいです。作者様のペースで次回作待ってます！ (8月21日 9時) (レス) @page21 id: a0f7c3b137 (このIDを非表示/違反報告)
ちと(プロフ) - へいさん» お返事遅れて申し訳ありません。大変嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2022年10月21日 1時) (レス) id: 20c14f813d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年8月31日 19時
