検索窓
今日:30 hit、昨日:2 hit、合計:139,169 hit

匹敵 ページ13

.


「とりあえずここは好きに使っていいよ」


五条先生の言葉に言われるがままに部屋に入る。
一人部屋としてはそれなりで、ベッドの触り心地を調べながらぐるりと部屋を見渡す。
何だかんだ仙台にいたころは、一人部屋という概念がなく悠仁と俺の共同部屋だった事もあり、この広さを一人で占領出来るというのは中々に形容し難いものがある。

悠仁の部屋は隣らしく、壁が薄いのか何を言っているかまでは分からなかったが彼奴が今何かを叫んでいることはわかった。
またあのグラビア写真を貼っているのだろうか。ふとした時にあの写真と目が合うことがなくなるのはかなりの高得点だと思う。

仙台から持ってきたものもそこまで多くはない。
早めに荷解きを終えたので悠仁の部屋を覗きにいけば、なにやら真面目な話をしていたようでそろりと様子をみる。
すぐに気付かれて、悠仁に声を掛けられた。


「おっ、A!荷解き終わったん?」
『まぁ、そこまで量なかったし』
「Aもグラビア写真とか貼ったりした?」
『五条先生の目には俺はどう映ってるんすか…』


呆れ半分で突っ込んだ俺にトークを返さずに五条先生は静止した。隣の悠仁も驚いたようにしている。
そして息を合わせるまでもなく2人ともニマニマする。この雰囲気は先程の面談直後の学長と五条先生と同じだ。やっぱりムズ痒くて、頭を掻きながら問う。


『何すかその顔』
「え〜、あの頑なに五条さん呼びだったAが遂に五条先生って呼んでくれたから〜?」
『…、いや、先生ぐらいフツーに…』
「いーや先生、Aは先生って呼ぶの少ないし基本的にどの先生も前に名前付けずに先生呼びだから割と脈アリだよ」
「マジ?ごめん、Aくんの事は友達としか…」
『告ってない上に振るなよ!あと悠仁はいらない情報出すな!』


両手を口元に寄せ、恥じらったように言う五条先生に思わず突っ込む。あと悠仁はなんでそんな事知ってるんだ。
ただ五条さんの事は五条先生って呼ぶべきだって思っただけで、そこに深い意味はない訳で。自分の心の中で反論を考えていけばいくほど、言い訳をしているように思えてブンブンと頭を振って脳内をリセットさせる。
余計に二人のニヤつきが増した気がして、耐えきれず廊下に出れば、人影が俺を出迎えた。次いで五条先生も部屋から出てくる。


「げ、隣かよ…空室なんて他にいくらでもあったでしょ」
『…あ、黒い人』
「…お前も充分黒いだろ」


記念すべき初会話はそれだった。

将来→←双生



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (524 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1410人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , 虎杖悠仁
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

てふ(プロフ) - しゃけさん» ありがとうございます。結構尖った作品なので不安でしたが、好きになって貰えてとても嬉しいです! (9月8日 3時) (レス) id: cfa7e5adb6 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ - こんなにドストライクな作品初めてみました。とても好きです。 (9月7日 23時) (レス) @page24 id: a0f7c3b137 (このIDを非表示/違反報告)
てふ(プロフ) - 柴イヌさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えれるよう頑張ります! (8月21日 12時) (レス) @page21 id: cfa7e5adb6 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - めっちゃ面白いです!続きが待ち遠しいです。作者様のペースで次回作待ってます! (8月21日 9時) (レス) @page21 id: a0f7c3b137 (このIDを非表示/違反報告)
ちと(プロフ) - へいさん» お返事遅れて申し訳ありません。大変嬉しいお言葉ありがとうございます! (2022年10月21日 1時) (レス) id: 20c14f813d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2022年8月31日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。