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___。
移動の詳細は省きつつ。
あの後、ぼうっと戦意喪失したままの
デュースの袖をつまんで引きながら
やっとこさエース達が待つ
キッチンへと帰還した。
「おっ、帰ってきた帰ってきた。
随分遅かったじゃん、何かあったの?」
『ちょっとしたトラブルがね…
買い出しは無事に済んだわよ。
はいこれ、』
「あぁ、ありがとう。……うん?」
道中、呆然として何度も
袋を落としそうになったデュースに代わり
Aが手にしていた袋を差し出した。
トレイはそれを受け取りながら
ふと、きょとんとした表情をつくる
「ふなぁ……重てーんだゾ……」
「…どうしてこの袋と、卵の袋は別々だったんだ?」
同時に、よろよろと重たそうに
もう1つの袋を運んでいたグリムが
宙を浮かび、テーブルに下ろしたと同時、
力尽きたようにバタリと床に落ちた。
『大した事情じゃないの。1度購買に寄った時に、
ちょうど卵だけ買い忘れちゃって
グリム、お疲れさま』
「へえ、そうだったのか…」
疲労困憊なグリムを拾い上げながら
適当な言い訳を口にする。
疑問自体は些細な事だったからか、
応えられた返答にはあまり深く追求せず、
トレイは不思議そうに首を傾げただけだった
「___それじゃ、一気に仕上げよう。」
裏ごし済みの栗に
買ったばかりのクリームを注ぎ
必要な量のマロンクリームを作ってしまえば
手にあまった工程は残りあと僅か
焼きあがったタルトの生地に
クリームを高く盛り、崩れないように
トレイの魔法でやや冷やす。
『こっち、クリーム詰め終わったわよ』
「よし、じゃあ側面にそって絞ってくれ
バッグが普通より大きいから…
エース、手伝ってやってくれないか?」
「はーい、」
別途で作業をしていた
Aに指示を飛ばしながら、トレイは
即席のマロングラッセに手をかけた。
その最中 口にした言葉通り、
手に持ったところそのペストリーバッグは
通常よりも一回りくらい大きい。
その中にぎっしりと詰められた
マロンクリームが重みを主張する
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