イケメンの鬼の嫁に選ばれた者は炎に告白される

16 ページ17

その頃の鬼

零余子の心
　え？白無垢？？あのお方が？！
　白無垢ということは…結婚っ？！はへぇっ？！あのお方が…？！結婚…！！
ということは…私が選んだ着物が気に入らなかったら殺されるんじゃ…
…！？そうと決まれば、とてつもなく良いものを見繕わなきゃ！！

何やら忙しそうに頭を回転させている零余子はバタバタと町へと出掛けていった。
そして、よさそうな一軒の着物屋を見つけた。

零余子「失礼するわ、ここに白無垢はあるのかしら？」

着物屋の主人「白無垢…あぁ、ここに一着だけなら、ありますよ。」

よぼよぼの主人が持ってきたものは、月の光に照らされて輝いている真っ白な着物。それに惹かれた零余子は着物を手に取って観察した。

零余子「きれい…！！これを頂くわ！」

そう言って彼女は着物を汚さないように仕舞った後、主人を殺した。

零余子「さてと、帰りましょうか」

着物を改めて見てみると、やはり美しい。
うっとりとしていると、思い出した。

零余子「いっけない！！はやく帰らなくちゃ！！」

着物屋を出て一目散に走っていった。
その鬼を目に焼き付けていたものが数名、そして、そっと足音を立てずに追いかけていった。

風林火山の如く

17→←15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す