2. 赫末の正体 ページ2
「大事にしてたのにぃ〜!!なんでいなくなるのよっ!!」
ガンっと乱暴にコップを置いて、Aはそう吐き捨てた。
それまでうんうんと頷きながら酒を飲んでいた赫末。
ふぅーっと息をつくと、ガラスコップをクルクルと回しながら話した。
「猫の穴は猫でしか塞げねえって聞くよな」
「先立たれる方がいやですよ」
「じゃあ先立つ方になる?」
「どういう意味です?」
赫末は、コップを置いて、すっとAの目を見据えた。
「俺のペットになる?」
酔いで頭が回らず、意味がわからなかったAは「わかんないです〜」とまた酒を流しこんだ。
「ま、いいや。拒否権ないかんね」
そういうと彼は立ち上がり、キッチンの方へと行った。
構わず、Aは酒を流し込むばかり。
すると、彼は「はい」と水を渡した。
「飲み過ぎ、水飲めよ」
「ん〜…まだいいです…」
「いいから」
そう言って無理にでもAに水を飲ませた赫末。
Aの、喉に水が流れた瞬間、喉仏が上下したのを確認すると、彼の口角が微かに上を向いた。
「ん…っ…ねむ…」
そう言い残し、Aの手から水の入ったコップが滑り落ち、パリンと軽い音を立てて割れた。
完全にAが眠りに落ちたことを確認すると、赫末は外に向かって、叫んだ。
「おぉーい、いいぞお前ら」
そう声を掛けられた途端にゾロゾロと、部屋に5人の男が入ってきた。
「この子?」
「そ!」
先ほどとは違い、いたずらっ子のような笑みを浮かべて見せる赫末。不思議と彼らは顔がそっくりだった。唯一違う点といえば、ネクタイと、スーツの着こなしが違うだけだった。しかし、他の5人の黒スーツとは違い、赫末だけは、白いスーツに、毛皮のコートを着ていた。
「全く、一般人は巻き込みたくないのに…」
「ま、いいんじゃない?顔は可愛いし」
「だろぉ〜。俺のモンだから手ェ出すなよな!」
「はいはい、ガキだね〜」
ピンクのネクタイを締めた男は、彼を赫末とは呼ばなかった。
代わりに、「おそ松兄さん」と口にした。
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まつの - へいへーい 、 リクエスト したやつ 書いてくれて ほんとありがと 、 今回も神作 すぎるし なんかさ あんたが 書く 小説 続きが 気になるって そそられる ような 終わり方してるの 、 まぢで やばいかんね。 (3月12日 17時) (レス) @page3 id: d77e41cfa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:gipsofila | 作者ホームページ:http://https://www.pixiv.net/users/72619699
作成日時:2024年3月12日 15時