煉獄杏寿郎は好きと言いたい (ページ25)

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前世の記憶ページ25

その後、もちろん煉獄はめちゃくちゃにしたことを責められた。特にゆいは泣き出してしまった。

「すまない……つい本音が」
「んで……」

泣きじゃくりながら、ゆいは何か言った。

「む？」

ゆいは煉獄に抱きついた。

「こんなに私が好きなんですよ？！気付いてよ……！」
「よもや？！」
「私……ただ、ただ煉獄先輩が好きなのに、なんでですか！？私の何が足りないの？顔だって不細工じゃないし頭だって悪いわけじゃない。何がダメなんですか？！」

ゆいはまくし立てるように言った。煉獄は抱き返すことはなく、肩を持って突き返した。

「俺は、ずっと前から好きなんだ。信じられないと思われるだろうが、前世から好きというように」

ぽかんと口を開けたゆいに、煉獄は分かって貰えないだろうと思っていた。だが、「知ってますけど。なんなら私もですけど」
とゆいも記憶があるようだった。

「よもや？！」
「知ってますし、その頃からずっと私は煉獄先輩一筋ですし、いや杏寿郎さんだけですよ」
「よもや？！」

ゆいはもう一度煉獄に抱きついた。

「もうバレたからこの際同じですよね！梨瑠先生のことなんて諦めてください！」
「よもや！？」

また口論になりかけた時、宇隨が咳き込んだ。

「あー……お二人さん派手に続きは後にしてくれ」
「よもや……すまない」

行いを思い出したゆいは赤くなってどこかへ走っていった。
不甲斐ないと頭を抱える煉獄に宇隨は「モテる男は辛いな」と背中をさすった。