ギャングスターが王子になるらしいよ (ページ2)

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眠れる森の美女ページ2

森の中でAは動物たちとお花を摘んでいた。

「あぁ、私もいつか愛する王子が現れるのかしら」

1輪の輝く金色の花を手に取りうっとりと呟く。その様子にうさぎ達がうんうんと勢い良く頷いた。可愛らしい、とふふっと愛らしく笑ったAはブーケを作って立ち上がった。そっと、1歩1歩ステップを踏み始めた。

「あなたをいつも夢に見て、その瞳さえ懐かしい」

次第に歌い始めるA。うさぎたちも音楽に身を任せた。

「夢は幻だと言うけれど、でもわかる
あなたこそ愛してくれる、あの夢と同じに」

すると、帽子を被ったふくろう、マントの肩の部分を持ち上げる小鳥、片方の靴に1匹ずつ入ったうさぎ、みんなで力を合わせて人間の姿になった動物たちが来た。まぁ、と、目を丸くしたAは恐らく腕が通るであろうマントの1部を握りステップを踏んだ。

「でもわかる
あなたこそ愛してくれる
あの夢と同じに」

その輝かしい歌声に惹かれた隣国の王子、ジョルノ・ジョバァーナは聞こえる場所にと引き寄せられて行った。

「あなたをいつも夢に見て
その瞳さえとても懐かしい
夢は幻だと言うけれど」

遂に彼女を見つけた。ジョルノはマントの首根っこを掴み強引に彼女から離した。そして軽やかに回った彼女の手を掴み、共にステップを踏む。

「でもわかる
あなたこそ愛してくれる」

その続きのフレーズは何故かジョルノにも分かった。

『あの夢と同じに』

思わず口ずさんだ彼に驚いたAは身を離した。

「おっと、失礼。脅かすつもりは無かったんです」

だが、ジョルノは逃げるAの腕を掴んで離さない。

「いや…そうではなくて…ただあなたのこと…その、」

とAは隙を見て腕を引く、そして踵を返して逃げようとした。だがしかし、ジョルノは彼女の手を再び掴む。

「知りませんか？」
「えぇ、」
「もう忘れたんですか？前に会ったじゃあないですか」
「え、会って？」
「そうですよ」

その問に間髪入れずに答えるジョルノ。そっと手を引き寄せて、ジョルノは続けた。

「君も言ってただろう？」

また手を離されてしまった。

「夢で会った、と」

知らないわ、とAは背を向けて歩き出した。その背中に向かってジョルノは歌い始めた。

「あなたをいつも夢に見て」

木に隠れるAに近付き、そっと手に触れた。するとまた驚いたA。

「その瞳さえとても懐かしい」