【wrwrd!】壊れた人形【軍パロ】 (ページ2)

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感情2 ページ2

そこからはあまり覚えていない。

確か馬車みたいなのに乗せられて遠く離れた街に行った。

乗ってるときに男の人達が

「ほんとにきれいだ」

「これは高く売れるぞ」

と言っていたけれど私にはよく分からなかった。

ついた場所は窓も無い壁に囲まれた牢屋みたいなボロボロのところだった。

そこには色が黒い子や見たことない髪や目の色をした子供が沢山いた。

そこで一人友達ができた。
綺麗な金髪の髪をしていて
雲一つない空をそのまま閉じ込めた様な綺麗な瞳をした男の子だった。

その子は来たばかりのとき寂しくてずっと泣いていた私を慰めてくれた。

「俺も親に売られたんや」

そう言いながら笑う彼からは
悲しさや寂しさなんて何も感じなかった。

いつも笑顔の彼に私も元気づけられて彼みたいに笑うようになった。
二人で抜け出す計画を立てたりして、親に捨てられたことも忘れて幸せな日々を過ごした。

でも幸せはそんなに長くは続かなかった。

私が来て一ヶ月もしないうちに彼はおーくしょんと言うのに売り出されどこかへ行ってしまった。

寂しそうにこちらを振り返る彼は笑っていなかった。

彼のいない時間は寂しかった。苦しかった。
だからその気持ちを押し殺すように彼みたいに笑った。沢山笑った。
不思議と気持ちが落ち着いた。

しばらくして私もおーくしょんに出された。
骨董品や良くわからない絵が出されたあとステージの様な所に立たされた。

久しぶりに見た光がとても眩しかった。

人が沢山いる観客席から

「美しい」
「まるで人形だ」

と声が聞こえ
全身をなめ回すような視線がとても気持ち悪かった。

辞めてほしくて睨んでみてもそれは歓声に変わるだけだった。
つけられた手枷と足枷がとても痛かった。

「さあ!早いもんがちだ!
　最初は3000万から！」

そんな声が響く。

私、今売りに出されてるんだ。
ボーとした頭で理解する。

いろんな値段がつけられる中
最後に聞いた

"5000万"

これが私の値段だった。

最初に私を買ったのは豪華な服を着た貴族の夫婦だった。