【ポケモンXY】初めてをくれる君【カルム】 (ページ8)

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7話。ページ8

「A！？まさか転ぶなんて思ってなくてぇ……ごめんね」

「全然大丈夫だよ！心配してくれてありがとう！
それより、用があったんだよね？どうしたの？」

ちょっと痛くて血も出ているがここは我慢だ。これ以上この子にこんな顔をさせるわけにはいかない。

「そうそう！デビュー戦の相手！お願いしちゃうんだから！！」

くるっと回ってウインクを決めたサナちゃん。これは反則ではないだろうか。可愛すぎだ。

～バトルは省略しますすみません～

＿＿無事に戦いを終えた。

「勝っ……たの……？」

どうやら相手のハリマロンを倒したらしい。恐ろしく実感がない。

「そうだよ、A！すごい！」

「わぁ……っ、勝ったんだ。やったよ、フォッコ！」

嬉しさを隠しきれずフォッコに抱きつく。フォッコは嬉しそうに鳴いた。
　私とバトルするという目的を果たしたサナちゃんは、わたしとカルムくんに挨拶するとすぐさま走り去っていった。

わたしもぐずぐずしてられない。とりあえず家に帰って手紙を渡さなきゃ。

　アサメタウンとメイスイタウンをつなぐ1番道路を歩いていると、今度はカルムくんから声をかけられた。

「お隣さん、これ」

「……？」

不思議に思い渡されたものを見てみると、その手には絆創膏。サナちゃんは気づかなかったのに…。サナちゃんより遠くで見ていたのに気づいてくれてたのかな……？

「あっ、ありがとう！！いいの？」

「よくなかったら最初から渡さないよ」

「それもそっか。ありがとう」

絆創膏を受け取る時に少しだけ触れた手にちょっとどきどきしちゃったり。なんせ異性の手に触れるなんて父さん以外で初めてだから。
嘘だと思います？本当なんです(笑)

　恥ずかしさで下を向いていると彼は「大丈夫？」と顔をのぞき込んできた。

「だだ大丈夫！！ありがとう！」

「そう？ならいいけど。それじゃ、またね」

そうしてカルムくんはまたメイスイタウンへと戻っていった。

「……このためにわざわざ来てくれたのか。優しいな」

何故だか気分がさらによくなった私はスキップして家へと足を運んだ。