鶯と夜 (ページ2)

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なんで私がどうして私が
誰に向けたものでもない問いが窓の外に吸い込まれる
｢はぁ｣
何度目かのため息をつき、図鑑に目を向ける。ウグイスのページを開いたままだった
｢鶯ってこんな色だったっけ｣
痛みはじめた左腕をさすりながら無意識に呟く
まあ、とくに興味もないのだからどうでもよいのだが
｢ゆおちゃん｣
は、と沈みかけていた意識が戻る
｢お母さんがお見えですよ｣
もういいと言ったのにまた来たのか
泣きたいのはこちらなのに、いつも泣いている
母の泣き顔ほど、子供の心をえぐるものはないのに
｢ありがとうございます｣
とりあえず通そう。そして、帰ってもらおう
｢ゆお｣
ためらいがちに扉から顔を覗かせる母
｢、おはようお母さん｣
ああ、もう泣きそうじゃないか、やめてくれよ
｢ごめんね、ゆお、ごめん｣
｢ううん、お母さん、お願い泣かないで｣
痛い、いたいよ
心が痛いのか、患部が痛いのかわからない
｢帰って、帰ってよお母さん｣
なんてひどいことを言っているのだろう
｢ゆお、｣
｢お母さんがつらい思いをするなら、｣
ああ、傷つけてしまう
また泣いてしまうかもしれない
でも、
｢私なんて死ねばいいのよ！｣

もう限界だ