・ ページ2
阿部side
翔太の次に来たふっかも康二を見つけるなり騒ぎ始めたけどさすがに可哀想になってきて俺が代わりに説明する。
「………あいつ、大丈夫か？頭ん中どーなってんだ？」
「北斗と同じこと言わないで。」
「いや、思うだろ普通。」
まぁそうだけど、と言いながら康二を見ると生徒に解説してる姿があった。
「……康二らしいよほんと。」
「まぁ、確かにな。夏もこんなことあったな。」
康二に教えて貰ってる生徒は理解出来たのか笑顔で康二を見ていて。隣にいる康二も笑っている。
よく生徒から「向井先生のあの優しさと可愛さでみんなやられるよね！」という言葉を聞く。
確かにあの無邪気な可愛らしい笑顔で優しくされたら男でも惚れてしまう。
現にそういう奴がいるけども。
「……目黒、大変だな。」
ボソッと誰にも聞こえないように呟いたはずが隣にいるふっかに聞こえたみたいで見ると苦笑いをしていた。
＿＿＿＿＿＿
2学期の掲示物を剥がし、手に大量の紙を持って教室から職員室に帰ると康二の隣で荷物をまとめている翔太の姿が目に入った。
「何、翔太帰んの？」と近くにいた北斗に聞くと「いや、じゃない方」と言われる。
不思議に思って見ていると翔太が康二に鞄を押し付け、彼は職員室を飛び出した。
「はぁ………、ほんっと手のかかるやつ。」
「翔太、強引だね。」
「こうでもしなきゃあいつギリギリまで絶対居るぞ。」
「確かにね」
そう言って2人で康二が出ていった方を見る。
優しくて真面目なのはいい事だけど、悪いことに働くこともあるもんだ。
ふと窓の外を見ると冬なのに雲ひとつない青い空。
この空みたいに康二と目黒の関係もすっきりして欲しいな、と思いながら仕事に戻った。
『手のかかる人』fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 756人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shiro. | 作成日時：2020年11月13日 12時
