点灯式のその後 ページ3
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約15分行われた点灯式もついに終わりを迎え、その場にいた人達は続々と帰っていく。
まだ時刻は19時になったばっかで、まだもう少しだけ一緒に入れるかもなんて思う。
「せっかくやし、ご飯食べて帰らん?」
「うん。こっち。」
そう言って俺の手を引いて歩き出す蓮。
話を聞くと食べるところを調べてきたらしい。
勉強は計画性なんてこれっぽっちもないが、こうゆうことになると……、流石だ。
連れてこられたのは高校生でも入れそうなお洒落なお店。テーブルごとに横が見えないように仕切られている。
ちゃっかり予約もしてたみたいですぐに席に案内され、窓の外を見ると先程点灯した大きなクリスマスツリーが見える。
料理を頼み、食事が進み久しぶりなのもあってか話も弾んできた頃、いきなり蓮が少しムスッと顔をしてこちらを見る。
「てか、なんで松村に誘われてOKしたの。」
「は?」
「だから今日の点灯式。松村に誘われてたんでしょ?」
「何言っとん。蓮と行ってき、って言われたで?」
「あいつ……、まじ許さねぇ。」
蓮から詳しく聞くと俺が北斗に誘われて行くって言われたけど蓮に譲った、みたいな感じ。
お詫びだと言って北斗が俺の代わりに渡してくれたんやで、と伝えると少し機嫌が直った……みたい。
「あいつも、悪いとか思うことあんだな。」
「そりゃ人間やからな思うやろ。」
「でもあいつ俺は正しい!とか言ってそうじゃん?」
「どんな偏見やねん。」
そう話しながら残りのご飯を食べる。
食べ終わったのを見計らったかのように蓮が箱を差し出してきた。
「これ、康二に。俺からのクリスマスプレゼント。」
「え、開けてもいい?」
「うん。絶対似合うと思うよ。」
箱の蓋をそっと開けると中には紺色のシンプルなネクタイと先に小さいオレンジのストーンがはめ込まれたネクタイピン。
「……こんなん高かったやろ?」
「康二と離れてバイト始めたんだよね。」
「嬉しい……。」
「だからちゃんと付けてね?」
当たり前やん、と返事すると蓮は嬉しそうに笑った。
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作者名:shiro. | 作成日時:2020年11月13日 12時