第 2 6 話 ページ1
_与一side_
僕は今、姉が目の前で惨殺される現場を見せつけられている。
鬼「で、早乙女与一。今俺はおまえの最も深い部分の記憶を再生しているわけだが…。」
鬼「お前は力が欲しいのか?お前の心に触れたがいまいち強い復讐心を見つけられなかった。あるのは安定、優しさ、他者への愛情…。どれも俺は嫌いだ!」
与「そ…そんなことないよ。僕は姉の敵を…」
鬼「嘘だな。おまえは争いを嫌っている。あまりに欲望が足りない…そんな奴は嫌いだ!」
鬼「だから俺がお前の代わりに、姉の敵を討ってやろう。体を寄越せ…人間!」
_Aside_
与「危険な人間は…皆殺しにしよう…」
与一は俺たちに向かって矢を撃ってきた。
マジで乗っ取られてんのかよ。
というか……。
『おい、グレン!始末しろってどういうことだよ!!与一は仲間だぞ!!』
グ「はぁ〜?あれが仲間か?ありゃどっからどう見ても鬼だろうが。早く殺して楽にしてやれ。」
グレンの能天気な言葉にイライラする…。
『くそ、くそ……くそがぁァ!!!』
俺は剣を握った。
途端に、とてつもなく力が溢れてくる。
これが、黒鬼……。
俺たちは与一に接近し、剣で与一が持っている弓を弾き飛ばした。
『よし、弓を引き剥がしたぞ!!これで元に…』
グ「馬鹿が気を抜くな!鬼は武器じゃなく与一の中にいるんだぞ!!」
与一が俺に向かって蹴りかかってきた。
俺が後ろに飛ぶとすかさず、君月が与一を攻撃しようとする。
俺はそれを剣で止める。
『やめろ君月!!与一を殺すつもりかっ!!!』
与「ふ…ふふふ。なんだそれ。お前ら俺を殺せないのか…!ははははは!!」
そのやり取りを与一に取り付いている鬼が嘲笑う。
『くそっ!おい、戻ってこい与一!!鬼になんか負けてんじゃねぇよ!!俺たちと一緒に吸血鬼倒しに行くんじゃねぇのかよ!!』
俺がそう言っても、弓を持ち矢を構える与一。
君「もう諦めよう。殺すぞ、A。」
君月は諦めたようにそう言い、与一に向かって剣を構える。
『ふざけんじゃねぇ!!ここで…こんなところで仲間殺したら…俺は吸血鬼なんかと同じになるだろうが!!!』
『だから与一っ!!正気に戻れ!!!』
俺が呼びかけても矢を放つことをやめない与一。
もぅ、ダメなのか?
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作者名:ホットミルク | 作成日時:2018年7月2日 21時