第 ５ ５ 話 ページ14
＿Aside＿
三「グレン中佐？ 早いですね。確か、集合時間まで30分あるはずですが…」
え？ 俺たちが聞いた時間と違うのか？
シ「…あれぇ、私やAさんが聞いてた集合時間と違いますねぇ。まさかこれ、私に姉のことを伝える会だったとか？」
シノアの姉？ 何のことか分からん…
グ「不満を聞いてやる会だよ。」
そう言うと少し真剣な顔になり、俺たちの方に向き直る。
グ「まずシノア。お前の姉は死んだ。もう戻れない。鬼になって刀の中にいるが制御できてる。俺はあいつに取り憑かれてない」
シノアにそう言うと、次は俺の方を向く。
グ「それとA。お前はまだ強くなれる。鬼呪の使い方は…シノアや三葉に教えてもらえ。別に俺じゃなくてもできる。話は終わりだ。」
言い終わり帰ろうとするグレン。
俺は慌ててグレンを引き止めた。
まだ、グレンには聞きたいことがあるんだ…
『帰る前に一つ教えてくれよ。柊暮人とかいう奴に俺は人体実験のモルモットにされてたって聞いてたんだけど…。あいつの言ったことは本当か？お前は俺を利用しようとしてたのか？』
気になっていたことを率直に聞く。
グ「当たり前だろ…。利用価値のないやつは必要ないからな。で、それを聞いて怒んのか？」
『まさか…。俺が気になるのは、ちゃんと役に立ってるかどうかだ。』
グ「 ？！ 」
俺は言葉を続ける。
『必要なのなら、同じ孤児院だった優とミカのことも欲しがってくれるのか？』
俺の言葉にグレンは黙って俺を見ながら聞く。
もし、優とミカを必要とするのなら…
『もしそうなら、お前が優もミカも欲しいと思ってくれるなら…モルモットでもなんでもいい！俺はおまえに全面的に協力する！だから俺に優とミカの取り戻し方を教えてくれ！』
俺はグレンに向けて頭を下げる。
どうしても優とミカを取り戻したいんだ…
グ「当然のことを怒鳴るな馬鹿が。前も言ったろ？俺も含めてここにいる仲間はもう家族だ。なら、皆でお前の家族を取り戻せばいい。
話は終わりか？ もう、俺は帰って寝る。」
そう言い立ち去っていくグレン。
グレンはちゃんと、俺の家族を必要としてくれている…。
俺はグレンの言葉を信じることにした。
シ「グレン中佐は信じれても、姉は……平気で家族を裏切る人なんですけどね…」
．
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作者名：ﾎｯﾄﾐﾙｸ | 作成日時：2018年5月24日 0時
