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LC 17-5 ページ28
｢＿＿何て言えば良いか？ヒュプノスよ｣
｢なっ！｣
危なかった。また助けられた『俺の魂は何者にも引きはがせなくなった。他のどんな意思も命令も効かない。』に。
ラノスの一件より前に発動させたこの効果は、どうやら無期限かつ回数制限無しの効果らしい。
素晴らしいスキルだ。これならば、こいつらにも勝てる気がする。
そう思い自身を奮い立たせようとした。だが引っ掛かるのはあのハーデスの小宇宙…
そのときの恐怖が、意識の印画紙に激しく焼きつけられてしまったように離れない。
死を思い起こさせる感覚に、神経に悪寒が走って心の中まで青ざめる。
｢…なんと汚れた魂よ｣
背中から体温を感じさせない、冷気が含まれているような声が囁かれた。
振り向けずに背中に汗が流れ続けているとその声のまま、諭すように口を紡ぐ。
｢少し前から見ていたが、歪んでいるな。"この世界は所詮物語である"などと。何を持ってそんなことが言える？｣
｢事実だ。俺はこの世界のことを知っている。｣
｢だからなんだ。｣
｢だから？｣
｢例えその話が本当だとして、この世界の行方すらも知っているとしても、部外者であるはずのお前がそれを変えて良い理由になどならない。ましてやこの神聖なる神との戦いに介入するなど持っての他である！全知にでもなったつもりか？お前は何も分かって…！！｣
小宇宙の圧迫感にじわりじわりと押し付けられて息苦しくなっていたその時。
ハーデスの姿が歪み出した。
何事かと振り向くとまるでゲームのバクが発生したときのような姿があった。
戸惑いを表す声に俺は、高らかに笑い勝利を確信した。
｢ハッハッハッ！！馬鹿め。俺が何も用意していない訳がないだろう。さらばハーデス。お前は消えるがいい！！｣
｢おのれ！魂の分際で何処までも神を侮辱するかっ！｣
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作者名：ルビ | 作成日時：2022年2月1日 22時
