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LC 12-1 ページ1
長い廊下を歩いているとヒュプノスと偶然にも出会った。
｢これはハーデス様｣
｢ヒュプノスか。タナトスはどうしたのだ？｣
｢いくら双子であっても常に共にいるわけではありませんよ｣
｢そうだな。余はてっきりチェス勝負でもしていると思ったのだがな｣
俺は少しフッと笑って見せた。ナメられたらアカンと思いながら
ヒュプノスは俺の顔を見て、嗚呼…と突然俺に一つ提案をしてきた。
｢ハーデス様、一局どうでしょう？それともチェスはお嫌いですか？｣
この提案受けるか否か…
何かを見透かすような目。嫌いかって？嗚呼嫌いだとも
だが俺はあえて言おう
｢たまには良いな。下がれ輝火。余は今からヒュプノスと一戦する。｣
｢はっ！失礼いたします。ハーデス様、ヒュプノス様｣
｢行くぞ。ヒュプノス。どこでするつもりだ？｣
｢こちらへ…ところであの者は？｣
歩きながらヒュプノスは俺に尋ねてきた。
なんだ？その何かを探るような聞き方は？
こういうのは流すのに限る。
｢面白い奴よ。余は気に入っている。｣
ヒュプノスはフム…と呟きドアを開ける。
案内された場所は柱に赤バラが誘引されたバルコニーであった。
ハーデス城から外を一望できる場所に
｢ほぉ、良い場所だな。｣
と感想を述べて俺は椅子に座った。
それに驚いたヒュプノスに、俺ははっきりと答える
｢何をしている。遠慮などいらん。ここではそんな礼儀など不要だろう？｣
｢なるほど、そう来ましたか…｣
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作者名：ルビ | 作成日時：2022年2月1日 22時
