鶴は幸せを運ぶのか Ⅱ (ページ5)

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ーピコン、ピコン、

「あ」

と、アマリリスから聞きなれた電子音。
島田サンに視線が集まれば、彼女は口を開く。

「金色のザリガニの発見者の大森さんからメールが届いてます」
「おっ、なんだ、お礼のメールか」
「いえ…」

そのメールの内容は。

「髪の毛の生えたカエルを捕まえた、と…」
「あー？」
『またですか…』

アマリリスを覗き込む。そこには確かに、髪の毛の生えたカエルの写真が載っていた。金色のザリガニ以上に嘘くさい。

考えることは同じなのか、編集長や令子サンも眉を顰めている。

「うわっ、すっげえ！あるんですねぇ、こういうことも…！」

…が、真司だけは、嬉しそうにニマニマ笑っていた。
金色のザリガニもテンションMAXだったもんな、こういうUMA系好きなんだろうな。
もう取材真司だけでいいんじゃないか？

「あっ、俺行ってきますから。こう見えても子供の頃は…」
『カエル取りの真ちゃん？』
「何で知ってんの…？」
『合ってんのかよ』

誰だそのあだ名つけたやつ。
センスとレパートリーどこ置いてきたんだ。

未だ不思議そうに何で…？と呟く真司は置いて、視線を感じる方向へ振り向く。
こちらを見ていたのは編集長。

「A」

彼はにっこり笑った。

『……ウス…』

行け、ってことね。ハイ。

そうですか。真司だけじゃダメですか。