笑って、オンディーヌ (ページ47)

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さて。勿論戦いたくはなかったけれど、戦わないと殺すと脅されたので、近くの森までやって来ました。

「準備は良いか？」
『…はい。』

目の前に立つのは、間違いなく原作で何度も見た音速のソニックである。忍び装束に、まだ長い結われた髪に、目元の化粧。その全てが、月明かりに照らされて良く見えた。

…戦うの面倒臭いなぁ〜。

『ッお、』

なんて現実逃避をしていれば、首元へ刀が伸びる。なんとか反応して後ろに退けば、背中に飛んでくる苦無。それを避ければ次は改造された手裏剣…。
技一つ一つが速すぎて、避けるだけで精一杯だ。

しかしまあ、やられっぱなしも癪に障る。

『…ッふ、』

伸びてきた刀の柄へ手を伸ばし、ソニック引き寄せ、そして膝蹴りを食らわす。ソニックは油断していたのか、特に反撃をすることも無く私の攻撃を受けた。

『…？』

そして、多少の違和感を感じる。掠って服が切れたりはするものの、傷が付くような攻撃が来ないのだ。それに、私の攻撃を避けようともしなかった。
確かに私は一般人より強いし、瞬発力もある方だ。だとしても、ソニックの本気の攻撃を躱せるとは思っていないし、正攻法で攻撃を与えられるともおもっていない。

つまりソニックは本気を出していないということになるのだが…その理由が分からない。殺されないのはありがたいけれど。

なんて考えていたら、突如ソニックが攻撃を止めた。

「ふはは、」

不思議に思って見詰めれば、彼が笑い出す。

「突然悪かったな。」

そして一言、彼が謝罪を述べた。ソニックって謝れるんだとか考えていれば、次の瞬間、彼との距離は三十センチ程まで縮む。
驚いて後ろに退こうとした瞬間、抵抗も出来ない速さで右手を掴まれた。やはり先程までは手を抜いていたようだ。

『…何、』
「A、率直に言おう。」
『…？』
「俺と結婚してくれ。」

…

『＿＿は？』