出会い１ ページ5
あれから七年。現在15歳。
前世の記憶を思い出した私はマジ人生イージーモード。小、中学生の勉強はトントン拍子で進み、精神年齢は周りよりはるか上なので、多少のいじめはなんのその。
しかも転生特典なのかは分からないが、前世と大きく違うものがいくつかある。
ひとつは容姿。
私の容姿は非常に良い。流行りのモデルを見て、「え？私の方が美人じゃない？」と素で言ってしまう程度には良い。髪は絹のような白銀、瞳はアクアマリンが埋め込まれたような澄んだ水色。これが原因で煙たがられたりもするが、これが原因で好意を抱いてくれる人間も多い。おかげで昔から誘拐されかけたりなどもあったけれど、それはもうひとつの特典のおかげで乗り切った。
もうひとつは身体能力。
私は低級の怪人ならワンパンできるほどには強い。この力に気付いたのは10歳の時である。小学五年の帰り道、友達がおらず、一人で帰っていた私は、誘拐されかけ、逃れるためにそいつを蹴り飛ばした。すると、後ろのコンクリートにめり込むほどの勢いで誘拐犯が吹っ飛んだのだ。怪人にも対抗できるのかと、襲ってきた怪人を蹴っ飛ばしてみれば、見事に吹っ飛んだ。故に、私の趣味は怪人狩りである。
さて。今日も日課の怪人狩りだ。真っ白のワンピースに、5センチヒールの白いパンプス。髪は後ろで束ね、またも白い、真珠のあしらわれたバレッタをつけた。怪人狩りには向いてないけれど、どうせ苦戦はしないだろう。鏡で自身の姿を確認し、マンションを出た。
因みに今纏っている服、全て貢ぎ物である。政治家からだったり、警察のお偉いさんからだったり…あとこのマンションも貰い物…。誰からだったっけか。マ、良いや。
こんな感じで、私は大体貢ぎ物で生きている。理由は明白で…うん、私の容姿がいいからだ。この容姿は男女関係なくクラっとさせてしまうらしく、私には齢15にしてパトロンがわんさかいるって訳。何度か刺されかけたりしたが…そんなもの幼い頃から経験済みなので、問題は(あるけど)無い。それに、パトロンがいるおかげであの孤児院から抜け出して、一人暮らしができているわけだ。恐怖よりありがたさの方が勝る。
『あ、』
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2022年9月5日 0時
