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『…おはよう』
「っあ…おはよう、Aちゃん」
「おはよう。随分遅かったな」
私が目覚めて階段を降り、カウンターに座る人影に声をかけたのは、既に昼間に分類される時刻のこと。
その片方…蓮の手には、一枚の新聞が握られていた。
『…ソレ』
「見るか？」
「オイ、蓮！」
手渡された新聞に綴られていたのは、私がこの時間まで行動を起こさなかった理由に深く関連するモノ。
佐野商事の新社長･佐野満が行方不明となり、警察が公開捜査に踏み切ったという記事である。
「何だ。お前も佐野のことで落ち込んでるタチか」
『…当たり前でしょ、』
「優衣が殺されかけたのにか？」
『ソレは…ッ、許さないと思ったけど…。…でも佐野は…ライダーバトルに関わりさえしなければ…』
一晩眠ったところで、後悔や喪失感は拭いきれない。
優衣を狙ったと知った時は怒りに苛まれたりもしたけれど、彼の人となりを知って、彼が死んだ今…怒りなんていう感情は浮かばないのだ。
「東條のヤツ…浅倉の方がまだ分かりやすいっつんだよ…！」
『東條…？』
「アイツ、佐野と仲間だったハズなのに、急に攻撃して…！…そのせいで、」
真司の言葉に、佐野とした最期の会話を思い出す。
彼は死ぬ間際を思い出すようにして、東條と浅倉の名を挙げたのだ。いずれかが彼を殺したのだと思っていたが…真司の言葉から鑑みるに、佐野を殺したのは東條らしい。
「その東條の大学に行ってきた」
「え…」
「またいつ優衣を狙う気になるか、分からないからな。ヤツを何とかしない限り…安心して戦えないだろう」
「…で…？」
「大学には居なかった。家も突き止めたが…戻ってない」
「…そっか…」
真司の声音に浮かぶ感情。
それは本来、落胆であるべきなのだろう。倒すべき相手の居場所が分からずに、肩透かしを食ったような感覚。
しかし彼の声音には、微かに、安堵が浮かんでいるように聞こえたのだ。
「相変わらずだな」
「何が」
「東條のようなヤツでも…倒すのは反対ってワケか」
「いや、反対って言うか…！…抵抗はあるっつーか…」
「ヤツが何人の命を奪ったと思ってる」
「でもやっぱ引っかかんだよ！戦って倒してって…あぁ浅倉にしたってそうだし！…あーもう、分かんねー…もっと頭良くなりたいよ…！」
真司も東條がどんなことをしたのかは分かっていて、当然怒りもあるだろう。
しかしそれらを行動に移すとなれば、彼は矢張り、踏ん切りがつかないようだった。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
