検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:24,125 hit

二十九匹 ページ38

探偵社の社長、福沢諭吉。


この人は本当に強い方だ。純粋な強さがある。


正義の心、武力、どれもが素晴らしい。


…僕にはどれもないものばかりだった。


「そこの太宰めが[有能な若者が居る]と云うゆえ、その魂の真贋試させて貰った」

社長がそう云うが彼はまだあんぐりと口を開けている。

そんな彼を気にせず太宰君が続けて話し出した。

「君を社員に推薦したのだけど如何せん君は区の災害指定猛獣だ。保護すべきか社内でも揉めてね」

『それで、社長の一声でこうなった、と?』

「その通りです。Aさん」

武装探偵社の入社試験。これは恒例だ。

魂の真贋を試すという裏試験。


彼は少し違う感じになってしまったけど…。

本人の合意はまあ…ね?

「で、社長……結果は?」

皆が気になっていた問いを国木田君が社長に投げ掛けた。

心なしか敦君は顔が強張っていた。

そういう僕も少しは緊張しているのだけど。

ぼーっとその光景を眺めてると社長は目を伏せてこう云った。

「太宰に一任する」

…合格ね。成る程。

社長は結果を伝え終わったからか部屋から出て行った。

「……………」

「合格だってさ」

状況が飲み込めてなかった彼に太宰君が声を掛けた。

彼はそう云われて漸く理解したようにはっとした表情になった。


「つ、つまり……?僕に斡旋する仕事っていうのは」

「此処の………?」

彼の驚きが隠せない声に太宰君はクスりと笑った。
相変わらずの男だなと僕は再認識した。

「武装探偵社へようこそ」


『……こりゃ面白そうだね』


これからよろしくね、敦君?

三十匹→←お正月番外編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

強いうさぎLv3 - 新美南吉…!!地元…!!(嬉しい) (2019年6月14日 20時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:百合 | 作成日時:2018年8月5日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。