気分はあまりよろしくない ページ3
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衣更真緒side
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｢あ"〜｣
暑い。まだ6月だというのに何だこの暑さは。頭おかしいのか。
そんな暑さとは裏腹に今日俺は夢で振られる夢を見た。なんて幸先の悪いこと･･･！思わず背筋が凍ってしまう。
だからなのか暑いのにも加わって気分は最悪。絶不調だ。好きな人には会えないし。癒しが欲しい。
｢どうしたのま〜くん？今日はなんだかテンション低いね｣
｢………今日は気分があまりよろしくない･･･｣
｢まぁ何となく察しはつくけどねぇ。どうせAのことでしょ｣
｢………そうだけどさぁ｣
今日見た夢が現実的すぎて不安が増す一方だ。これから俺はどうするべきなんだ？
｢言ったんでしょ？なら後は待つだけじゃん｣
｢何も考えずに待てるなら俺だって待ちたいよ｣
｢ま〜くんめんどくさ。そんなんだと嫌われちゃうよ？いいの？｣
｢お前まで不安にさせるなよ･･･｣
なんとかいつも通りに接しないとな･････････あれ、いつも通りってどうやってやるんだっけ？
｢どうせ放課後一緒に帰るんでしょ？｣
｢いや、今日はユニット練習があるから無理なんだ。向こうも練習っぽい｣
逆に好都合だったかもな。今の俺じゃまともに話せないと思うし。
｢あー、Aは演劇科だっけ｣
｢近々本番があるらしくてな、忙しいみたいだ｣
そんな忙しい中で俺は告白しちまったんだけど。迷惑だったかも。
｢てか、ま〜くんがその手に持っている紙って演劇科の予算じゃない？｣
｢ああ。後で渡しに行く予定｣
｢それって誰に？｣
｢演劇科の知り合いって言ったらAだけど･･････あ｣
結局俺はいつも通りを装わないといけないじゃんかよ。
｢頑張れ、ま〜くん｣
｢頑張れ俺｣
俺はできる。できるやつだよ。これくらいできなきゃ何もできないぞ？
なんて、変に鼓舞しても逆に緊張するだけだよな〜。
………放課後に行こ。
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作者名：さかな | 作成日時：2023年3月31日 0時
