黎明に差す光芒。 (ページ5)

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79話ページ5

『…荼毘、くん？』

スマホに突如流れてきた映像。

そこには、荼毘くんが映っていた。

「僕、轟燈矢はエンデヴァー家の長男として生まれました」

『とどろき、とうや…』

「氷雨ちゃん、俺、きっとプロヒーローになるから見ててよ」

『うん、約束だよ、燈矢くん』

『燈矢、くん…。そっか。荼毘くんは…燈矢くんは、ずっと側にいてくれてたんだね』

顔が変わってしまっても、面影は残っていた。

何故、私が記憶を無くしてしまっていたか。

燈矢くんの死を認められなかったからだ。

大好きな燈矢くんの存在が、突如日常からぽっかりと穴が空いたように無くなってしまって…。

信じたくなかったんだ。

だから、そんな嘘めいた事実を心の奥に封じ込めた。

生きていると認識した。

でも、実際生きていた。

『…良かったぁ』

私、会いに行くよ。

それに…。

『弔くんとも…話し合わなきゃ』

本当の兄弟に会えた。

けど…弔くんの兄弟は、私しかいない。

それに…。

こんな事になっているのも、先生のせいだ。

きっと先生はただこの戦争を見逃しているはずがない。

この戦争と同時に、何かしらの事件…タルタロスで何かを起こすはずだ。

その時に、ちゃんと話し合わなきゃ。

でも…まずは、燈矢くんから。

再会を、分かち合おう。