検索窓
今日:2 hit、昨日:24 hit、合計:95,454 hit

47_HS ページ28

NM「ホバ、頼まれてた資料持ってきた…ってどうした?」

ドアのノックが聞こえて扉を開けると、ナムジュンが資料を持って入ってきた。

NM「具合悪いのか?」

にこりとも笑わない、いや、笑えない俺の顔を見て、彼は心配そうに覗き込んだ。

HS「いや…」

その視線から逃げるように彼に背を向け、ソファに腰を下ろす。

NM「何かあったのか」

HS「…」

何を答えればいいのかわからず、ただ無言でソファに座る俺に、彼は怒る様子もなく言った。

NM「悩んでもいいけど、困ったら言ってくれよ。」

それでも何も言わない俺に、ナムジュンはパソコンの前に持ってきた資料を置いた。

NM「…飯でもいくか?」

その一言に甘えて、2人で作業部屋を後にした。




NM「で?何があったか話してくれる気になったか?」

ナムジュンが連れて行ってくれたのは近くのイタリアン。
個室に通され、乾杯するなり彼が切り出した。

HS「…振られたんだ、Aに」

NM「振られたって…告白したのか?」

HS「いやまあ、告白したわけではないけど」

事の経緯を話すと、ナムジュンは呆れたようにため息をついた。
そりゃあそうだ、メンバーからこんな辛気臭い話を聞けばため息の一つや二つつきたくなる。

NM「俺は第三者だから何とも言えないけど、お前たちはちゃんと話し合った方がいい」

HS「話し合うも何も。振られたのに」

NM「でも告白はしてないんだろ?」

HS「そうだけど」

NM「告白する気はないのか?」

告白すればAを困らせるだけだ。
Aが困れば、メンバーが困る。メンバーが困れば活動が今まで通りに行かなくなる。
俺の一言で、みんなが今まで通りに過ごせなくなることだけは耐えられなかった。

NM「ホソガ、ずっと言おうと思ってたけど、お前にはもっと自分のことを考えて欲しい。お前の一言だけじゃ、俺たちが今まで積み重ねてきたものは消えないよ」

ナムジュンは真っ直ぐに俺を見て言った。

NM「仮にお前たち2人が気まずくなっても、俺たちは変わらないよ」

変わるか変わらないかなんて、実際のところわかるはずもないのに、ナムジュンの瞳は一瞬たりとも揺るがなかった。

NM「今すぐには無理でも、ちゃんとAと話し合って。その顔、Aに見せたんだろ。きっとAだって心配してる」

そうだ。Aは優しい子だから。
自分が俺を困らせたと自分を責めるかもしれない。
告白するかどうかは置いておいても、Aとは話をしなきゃ。

HS「ナムジュナ」

NM「ん?」

HS「ありがとう」

ナムジュンは満足そうに笑って、手に持ったグラスを煽った。

48→←46_JN



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (177 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
470人がお気に入り
設定タグ:BTS , 紅一点 , ホソク
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

クロ(プロフ) - あああさん» コメントありがとうございます!イチャイチャが書き足りないのでいつか書けたらと思っております…! (2022年2月8日 19時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - すごくキュンキュンしたり、読みながらニヤニヤしてたりしてました笑もし番外編を作る予定がありましたら、また読みたいなと思います! (2022年2月7日 2時) (レス) @page50 id: 6326bb1af0 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - soraさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…! (2021年10月19日 13時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 始めまして!最近ホビペンになりまして、主様の投稿を見ているとキュンキュンします♡いつも応援してます! (2021年10月18日 22時) (レス) @page25 id: 4fa3e92ebc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:クロ | 作成日時:2021年9月18日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。