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あなたサイド




ふと声をかけられて、思わずドキッと心臓は脈を打つ。

俯いていた顔を上げると、としくんが顔を少し赤らめて私を見つめていて、つられて私まで赤くなっていく。

見つめ合えば、時が止まったみたいだな。なんて思ったり。


としみつ「あの、Aさん」

「…はい」

としみつ「昼飯…」

「昼飯…?」



____としみつ「昼飯買いに行きませんか」




えっ…?

と聞きたくなるところだけど、
確かに時計は12:00を回っていて、お腹が空き始めていた頃だった。

皆で買いに行くのかな。
それとも、

2人でって事かな。

緊張で汗ばむ手で、ジーンズの裾を握ると



りょう「じゃあついでに俺らのもお願いね。な?2人とも」


と、りょうくんに押し付けられ


虫眼鏡「買いに行ってくれるならお願いします。僕、サブチャンの編集あるし」

てつや「はぁ!?お前ら何言ってんの!俺がAちゃんと行くわ!」

りょう「こら、リーダーはメインの編集が終わってないからお残りでしょ?笑」

てつや「やだ!!俺もAちゃんとお買いものする!!」

りょう「うるさいリーダーだな。笑
ほら、これからもっと煩くなるから、今のうちに二人共行っちゃって!!笑」




って感じで、流れに押されて、りょうくんに玄関からポイッと外に放り出された私ととしみつさん。







____「…行きますか」

としみつ「…行きましょう」



なんとも、ぎこちなく小っ恥ずかしい始まりだった。



外の真っ青な青い空に、
久しぶりに聞いたミンミンとした蝉の声がして、
生ぬるい風が私たちを丸く包んで、
その風は時々私の帽子を攫おうとした。

なんとも気持ちの良い、外の空気だった。


無言のまま、六月の炎天下の下を、

ちょっと離れた微妙な距離で歩いた。




としみつ「就活…上手くいってないの」


ちょっと経ってから、としくんは最初に口を開いた。


「ちょっと上手くいかないかな」



実際、今のところ入社試験は全落ちで、今行ってるところも受ける気配がしない。

嫌気がさしできた頃に、としくんに出会ってしまったから、

私の新生活に、少し色がついた気分にれた。



としみつ「岡崎で仕事探さないんだ」

「うん、自立した人になりたいから、離れたところで頑張るの」

としみつ「…そっか」

「うん」


ちょっと寂しそうに聞こえた、そっか が嬉しかった。


「岡崎で仕事探せばよかったな」


としくんの横顔を見て、思わずそう呟いてしまった。

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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時

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