タレ目ウツボと小さなサメ

25話 ページ32

「…そろそろか」





では、また後で。とオーガくんは寮へと戻って行く。







『ﾊｯ、ふぅ、こ、怖い…』







あの目がほんとに怖い。

ずっと目の前をあの視線がチラつく。
怖い、ヤダ、そんな目で見ないで


過去にも、似たようなことがあったような…








『…』







だめだ、思い出せない









ｶﾞﾁｬ









「A〜〜！！！たっだいまぁ！！」


『ぁ、フロイドおかえり』





いいことがあったのかかなり上機嫌のフロイドが帰ってきた






『ふ、フロイド』


「んー？？」


『私の目を見てくれない？』


「目？なになにジェイドの真似ぇ？」


『い、いいからほら！』


「もーわかったよ」






水槽から私を出して目を合わせてくれる








やっぱり







「これでいーい？」


『(フロイドに見つめられると落ち着ける)』


「Aー？」








フロイドはいつも暖かく、やわらかく見てくれる






そういう所が私は







『…好き』


「へ？？」









え？？？？









「A、今…」


『気のせい！！！何も無い！！！言ってない！！！』




ﾍﾞﾁﾝ




「いでｯｯ」









バタバタと暴れて水槽に戻って珊瑚の影に隠れる。





暴れた時ビンタした気がしたがそれどころじゃない。









『(こ、声に出しちゃってたぁ〜〜〜)』




砂の中に埋まってしまいたい

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